以前、以下記事でZabbix 3.0にてGmailによるメール通知の設定手順を記載した。
設定の流れは大きく変わっていなかったが、細かいところで手順に差異があったので、Zabbix 5.0におけるGmailによるメール障害通知を設定する手順を記載する。
設定概要
設定箇所が多いので、前回と同様、概要図を記載する。
- メディアタイプ:通知手段(メール、スクリプト、SMSなど)を設定。メールのメッセージ内容もメディアタイプで設定する。
- ユーザのメディア:通知先メールアドレスと使用するメディアタイプを設定する。
- アクション:障害検知時の通知条件と通知するユーザを設定する。
Gmailによる障害通知設定方法
1. メディアタイプを作成
メディアタイプとは通知手段の設定となるが、Gmail送信用のメディアタイプは設定されていないので、新規に作成する。「管理」→「メディアタイプ」を選択し、「メディアタイプの作成」ボタンを押下し、以下の通り作成する。
- 名前:Gmail
- タイプ:メール
- vSMTPサーバー:smtp.gmail.com
- SMTPサーバーポート番号:465
- SMTP helo:smtp.gmail.com
- 送信元メールアドレス:<送信に用いるGmailアカウント>@gmail.com
- 接続セキュリティ:SSL/TLS
- 認証:ユーザー名とパスワード
- ユーザー名:<送信に用いるGmailアカウント> ※「@gmail.com」は不要
- パスワード:<送信に用いるGmailアカウントのパスワード>
- メッセージフォーマット:HTML (プレーンテキストでも可。お好みで選択)
- 有効:チェック
Zabbix 3.0と異なり、Zabbix 5.0ではメディアタイプで送信されるメールのメッセージ内容を設定する。「メッセージテンプレート」タブを選択し、「追加」を選択し、以下設定をする。今回はとりあえず、メッセージはデフォルトのままとした。
- メッセージタイプ:障害
- 件名:
Problem: {EVENT.NAME}
- メッセージ:
<b>Problem started</b> at {EVENT.TIME} on {EVENT.DATE}<br><b>Problem name:</b> {EVENT.NAME}<br><b>Host:</b> {HOST.NAME}<br><b>Severity:</b> {EVENT.SEVERITY}<br><b>Operational data:</b> {EVENT.OPDATA}<br><b>Original problem ID:</b> {EVENT.ID}<br>{TRIGGER.URL}
2. ユーザのメディアを作成
作成したメディアタイプを使って、メディアを作成する。今回はAdminユーザーに対してメディアを作成することとした。
「管理→「ユーザー」→「Admin」→「メディア」タブに移動し、「追加」を選択して以下の通り設定する。
- タイプ:Gmail
- 送信先:<送信先のメールアドレス>
- 有効な時間帯:1-7,00:00-24:00
- 指定した深刻度のときに使用:すべてチェック
- 有効:チェック
3. アクションを作成
最後にアクションを設定する。「設定」→「アクション」を選択し、「アクションの作成」ボタンを押下し作成する。
「アクション」タブでは以下の通り設定した。トリガーの深刻度の条件は、監視設計に応じて適切に設定すること。
- 名前:Send Gmail
- 計算のタイプ:And
- 実行条件:
- メンテナンス期間外 (「メンテナンス期間中」を「いいえ」で設定)
- トリガーの深刻度 以上 _軽度の障害
- 有効:チェック
「実行内容」タブでは、以下の通り設定する。実行条件が満たされた際に、AdminユーザーのGmail送信のメディアを使ってメール送信を行う設定となる。
- 実行内容のタイプ:メッセージの送信
- ユーザーに送信:Admin
- 次のメディアのみ使用:Gmail
以上で設定は完了となる。
障害通知テスト
SNMP Trapにて障害を発生させると、ダッシュボードにて「アクション」が実行されたことが確認できる。オレンジで実行中、灰色で実行済み、赤で失敗を示す。
Gmail経由でメールが送信されることが確認できた。以下は、スマホのGmailアプリで確認したメール内容であり、HTMLメールなので各項目名が太字になっていることがわかる。
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