2020年5月9日土曜日

Zabbix 5.0.0rc1 (リリース候補版) をインストールしてみた

2020年5月6日にZabbixの最新バージョンである5.0.0のrc1 (リリース候補版)がリリースされた。

※(2020/5/16追記) 2020年5月12日に正式版のZabbix 5.0がリリースされました!

リリースノートは以下にて確認できる。

正式なリリース版ではないが、ほぼ完成形となるリリース候補版となるので、一足早くインストールして使ってみることにした。

※ちなみに、2018年10月にZabbix 4.0.0がリリースされた際も、今回と同様にリリース候補版をインストールして試している。先に言っておくと、手順は4.0.0の時と大きく変更はないようだ。

環境

環境は以下の通り。最新のCentOS 8.1で環境を構築する。なお、dnf (yum)を使うため、インターネット接続できる環境であることが前提となる。

  • OS:CentOS 8.1
  • DB:MariaDB
  • Web Server:Apache (※Zabbix 4.4以降はNGINXも選択可能)

インストール手順

1. SELinuxとfirewalldを停止する

これらが動いているとうまく動作しないことが多いので停止しておく。

[root@t1024cent ~]# sed -i.org 's/SELINUX=enforcing/SELINUX=disabled/' /etc/sysconfig/selinux
[root@t1024cent ~]# systemctl stop firewalld
[root@t1024cent ~]# systemctl disable firewalld
[root@t1024cent ~]# reboot

2. MariaDBをインストール

dnfでMariaDBをインストールする。設定は特に変更せずデフォルトで起動させておく。

[root@t1024cent ~]# dnf install mariadb mariadb-server -y
[root@t1024cent ~]# systemctl start mariadb
[root@t1024cent ~]# systemctl enable mariadb

3. Zabbix 5.0.0rc1をインストール

以下コマンドを実行することで、Zabbix 5.0.0rc1をインストールすることができる。

[root@t1024cent ~]# rpm -Uvh https://repo.zabbix.com/zabbix/4.5/rhel/8/x86_64/zabbix-release-4.5-2.el8.noarch.rpm
https://repo.zabbix.com/zabbix/4.5/rhel/8/x86_64/zabbix-release-4.5-2.el8.noarch.rpm を取得中
警告: /var/tmp/rpm-tmp.nWafDd: ヘッダー V4 RSA/SHA512 Signature、鍵 ID a14fe591: NOKEY
Verifying...                          ################################# [100%]
準備しています...              ################################# [100%]
更新中 / インストール中...
   1:zabbix-release-4.5-2.el8         ################################# [100%]

dnfでZabbix関連のパッケージをインストールする。Web画面を日本語化するため、「zabbix-web-japanese」のインストールも実施すること。

[root@t1024cent ~]# dnf install zabbix-server-mysql zabbix-web-mysql zabbix-apache-conf zabbix-agent zabbix-web-japanese -y
Zabbix Official Repository - x86_64             155 kB/s |  84 kB     00:00
Zabbix Official Repository non-supported - x86_ 5.4 kB/s | 1.2 kB     00:00
依存関係が解決しました。
================================================================================
 パッケージ       Arch   バージョン                             Repo      サイズ
================================================================================
インストール:
 zabbix-agent     x86_64 5.0.0-0.7rc1.el8                       zabbix    453 k
 zabbix-apache-conf
                  noarch 5.0.0-0.7rc1.el8                       zabbix     16 k
 zabbix-server-mysql
                  x86_64 5.0.0-0.7rc1.el8                       zabbix    2.6 M
 zabbix-web-mysql noarch 5.0.0-0.7rc1.el8                       zabbix     15 k
 zabbix-web-japanese
                  noarch 5.0.0-0.7rc1.el8                       zabbix     16 k

~(以下略)~

4. DBの初期設定

DBの初期設定として、DB作成とユーザーへの権限付与を行う。

まずは、MariaDBに接続し、DB「zabbix」を作成する。DB「Zabbix」に対する全権限をユーザー「zabbix」に付与しておく。パスワードは好みで設定すればよい。

[root@t1024cent ~]# mysql -u root
MariaDB [(none)]> create database zabbix character set utf8 collate utf8_bin;
MariaDB [(none)]> grant all privileges on zabbix.* to zabbix@localhost identified by 'password';
MariaDB [(none)]> quit;

Zabbix初期化用SQLファイルが用意されているので、以下コマンドで流し込みを行う。特にエラー等なく、プロンプトが返ってくれば問題なさそうだ。

[root@t1024cent ~]# zcat /usr/share/doc/zabbix-server-mysql*/create.sql.gz | mysql -u zabbix -p zabbix
Enter password:
[root@t1024cent ~]#

5. Zabbixの初期設定

以下2つのファイルにそれぞれ変更を加える。

/etc/zabbix/zabbix_server.confは、先ほど設定したDB「Zabbix」に接続するためのzabbixユーザのパスワードを設定する。

[root@t1024cent ~]# vi /etc/zabbix/zabbix_server.conf
DBPassword=password

/etc/php-fpm.d/zabbix.confはデフォルトでは; php_value[date.timezone] = Europe/Rigaとなっているので、アンコメントしてAsia/Tokyoに変更する。この設定ファイルはZabbix 4.0.0の頃からディレクトリのパスが変わっているようだ。

[root@t1024cent ~]# vi /etc/php-fpm.d/zabbix.conf
php_value[date.timezone] = Asia/Tokyo

6. Zabbixを起動

以上で準備が整ったので、Zabbixを起動させる。

[root@t1024cent ~]# systemctl restart zabbix-server zabbix-agent httpd php-fpm
[root@t1024cent ~]# systemctl enable zabbix-server zabbix-agent httpd php-fpm

7. Web画面で初期セットアップを行う

以下URLにアクセスし、初期セットアップを行う。

http://<Zabbixサーバーのホスト名 or IPアドレス>/zabbix/

最初の画面では、「Next step」を選択する。

「Check of pre-requisites」では、すべて「OK」となっていることを確認する。通常はデフォルト設定ですべて「OK」となっているはずである。

「Configure DB connection」では、事前に設定したパスワードを入力し、他はデフォルトのままとする。なお、Zabbix 4.0.0と異なり、「TLS encryption」のチェックボックスが増えている。

「Zabbix server details」では、「Name」がデフォルト空白なのでホスト名など入れてもよい。「Name」で設定した名前が何に使われるかというと、操作画面の右上に表示されるだけのようなので、空白のままでも動作に支障はない。

「Pre-installation summary」で設定を再確認できる。

問題なければ以下のような画面が表示されるはずだ。これでインストール作業は完了となる。

8. Zabbix 5.0.0にログインする

初期設定が終わるとログイン画面に遷移するので、早速ログインしてみよう。初期ID/パスワードは以下の通り。

  • ID:Admin
  • パスワード:zabbix

初回ログイン時は言語が英語になっているので、 左メニューの「User settings」を選択し、ユーザープロファイルの画面から、「Language」を「Japanese (ja_JP)」に変更しておこう。

以上で完了となる。特に問題なければ、1時間もあればインストールできてしまう。今までの上部にメニューが並ぶスタイルから、左側にメニューが並ぶスタイルとなっており、今までのバージョンのZabbixとは、見た目も変化しているようだ。

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