2019年12月25日水曜日

商用OSのEOSを調べてみた!2019年末版

昨年以下記事でまとめた主要な商用OSのEOSについて、今年も調べてアップデートしてみた。

・商用OSのEOSを調べてみた!2018年末版
https://tech-mmmm.blogspot.com/2018/12/oseos2018.html

2020年にサポート期限を迎える製品については、赤字で強調表示した。

なお、本記事で「EOS」と表現する場合は、製品として完全にすべてのサポートが終了する期限を指すことにする。例えば、通常サポートが終了しても延長サポートが存在するような場合は、EOSとは表現しない。

Windows (PC用)

とうとうWindows 7が2020年1月でEOSとなる。2009年9月にリリースされてから10年経過しているが、極端に古いと感じないのは、今でも使用され続けている環境が多いことが理由だろう。

・製品のライフサイクルの検索
https://support.microsoft.com/ja-jp/lifecycle/search

・ご存知ですか?OS にはサポート期限があります!
https://www.microsoft.com/ja-jp/atlife/article/windows10-portal/eos.aspx

・Windows 7 SP 1
延長サポート:2020/01/14 (SP1必須)

・Windows 8.1
延長サポート:2023/01/10

・Windows 10
Windows 10は、今までのWindows OSとサポートポリシーが異なり、モダンライフサイクルポリシーが適用される。なお、今までの単純なメインストリームサポートと延長サポートの構成を「固定ライフサイクルポリシー」と呼ぶ。

Windows ライフサイクルのファクト シート
https://support.microsoft.com/ja-jp/help/13853/windows-lifecycle-fact-sheet

モダンライフサイクルポリシーについて簡単に説明すると、Windows 10では3月と9月の年2回、機能更新プログラムのリリースが予定されており、この機能更新プログラムのリリースから18ヶ月(EnterpriseとEducationのみ9月更新は30ヶ月)が、その機能更新プログラムを適用したWindows 10のサポート期間となる。

機能更新プログラムはYYMMの形式で表現され、2019年12月現在の最新バージョンは1909となる。

以下に現時点におけるサポート中のバージョンを以下に記載する。

・Windows 10, version 1809 サポート終了:2020/05/12
・Windows 10, version 1903 サポート終了:2020/12/08
・Windows 10, version 1909 サポート終了:2021/05/11

Windows Server

Windows Serverは現時点で、Windows Server 2008 R2、2012、2012 R2、2016、2019の5つのバージョンがサポート中の状況となっている。ただし、Windows Server 2008 R2はWindows 7同様、2020年1月でEOSとなる。

なお、Windows Server 2008 R2は、「プレミアムアシュアランス」と呼ばれる特別サポートにより、6年の追加サポートが可能といった情報もあったが、それは無くなったようだ。代わりに、Azure環境や有償サポートで延長ができるような記載は以下サイトにあった。

・Windows Server 2008 および Windows Server 2008 R2 のサポート終了
https://support.microsoft.com/ja-jp/help/4456235/end-of-support-for-windows-server-2008-and-windows-server-2008-r2

・製品のライフサイクルの検索
https://support.microsoft.com/ja-jp/lifecycle/search

・Windows Server 2008 R2 SP1
延長サポート:2020/01/14 (SP1必須)

・Windows Server 2012 / Windows Server 2012 R2
延長サポート:2023/10/10

・Windows Server 2016
メインストリームサポート:2022/01/11
延長サポート:2027/01/11

・Windows Server 2019
メインストリームサポート:2024/01/09
延長サポート:2029/01/09

vSphere

今年は新しいvSphereのバージョンはリリースされることなく過ぎてしまった。2020年はvSphere 5.5がEOSとなる。

・VMware Lifecycle Product Matrix
https://www.vmware.com/content/dam/digitalmarketing/vmware/en/pdf/support/product-lifecycle-matrix.pdf

・ESXi 5.5 / vCenter Server 5.5
END OF TECHNICAL GUIDANCE:2020/09/19

・ESXi 6.0 / vCenter Server 6.0
END OF GENERAL SUPPORT:2020/03/12
END OF TECHNICAL GUIDANCE:2022/03/12

・ESXi 6.5 / vCenter Server 6.5
END OF GENERAL SUPPORT:2021/11/15
END OF TECHNICAL GUIDANCE:2023/11/15

・ESXi 6.7 / vCenter Server 6.7
END OF GENERAL SUPPORT:2021/11/15
END OF TECHNICAL GUIDANCE:2023/11/15


Red Hat Enterprise Linux

RHEL 8がとうとうリリースされた年であった。2020年はRHEL 5が完全にEOSとなる。RHEL 6も延長サポートフェーズに移る。

・Red Hat Enterprise Linux Life Cycle
https://access.redhat.com/support/policy/updates/errata

・Red Hat Enterprise Linux 5
End of Extended Life-cycle Support:2020/11/30

・Red Hat Enterprise Linux 6
End of Maintenance Support:2020/11/30
End of Extended Life-cycle Support:2024/06/30

・Red Hat Enterprise Linux 7
End of Maintenance Support:2024/06/30
End of Extended Life-cycle Support:未発表

・Red Hat Enterprise Linux 8
End of Maintenance Support:2029/5月
End of Extended Life-cycle Support:未発表

AIX

AIXはTL (Technology Level)毎にサポート期限が異なる。本記事では各メジャーバージョンの最新TLのEOSを記載する。なお、昨年よりAIX 7.1 TL5のサポート期限が1年延長したようだ。

・AIX support lifecycle information
https://www-01.ibm.com/support/docview.wss?uid=isg3T1012517

・AIX 7.1 TL5
End of Service Pack Support :2023/04/30 (予想)

・AIX 7.2 TL4
End of Service Pack Support :2022/11/30 (予想)

HP-UX

HP-UXはあまり頻繁なバージョンアップはなく、2007年4月に発表されたHP-UX 11i v3が未だに最新という状況となっている。HP-UX 11i v2のサポート期限が1年延長したようだ。

・長期間利用のための開発方針とサポートポリシー
https://h50146.www5.hpe.com/products/software/oe/hpux/topics/support/

・HP-UX 11i v2
延長サポート終了:2021/12月

・HP-UX 11i v3
標準サポート終了:未発表

参考

・End Of Support (EOS) の調べ方
https://tech-mmmm.blogspot.jp/2015/04/end-of-support-eos.html

2019年12月18日水曜日

BitLocker暗号化手順

Windows OSにて標準で利用できるドライブ暗号化ツールとして「BitLocker」がある。名前は知っていたのだが、インストールして使ったことがなかったので使ってみた。

環境

今回は、仮想環境のWindows Server 2016を使って、TPM(Trusted Platform Module)を利用できない環境でのBitLocker暗号化手順を確認した。

本当はTPMを使った暗号化を試したかったのだが、TPMはハードウェアとして実装されている機能であり、壊してもよいPCもOSもなかったので、今回は仮想環境で試すことにした。
※ちなみに、vCenter Serverがあれば、仮想環境でも仮想TPMが利用できるようだ。

手順

  1. 「サーバーマネージャー」→「役割と機能の追加」→「機能の選択」にて、「BitLocker ドライブ暗号化」を選択する。


    同時に、必要な機能管理ツールも選択されるので、併せてインストールする。

  1. インストール後、再起動が必要なので再起動する。

  2. 再起動後、Cドライブを右クリックすると「BitLockerを有効にする」が選択できるようになる。


ただし、TPMが使えない場合は「このデバイスではトラステッドプラットフォームモジュールを使用できません」というエラーが表示され有効化できない。


  1. 上記エラーを回避するため、gpedit.mscを実行し「ローカルグループポリシーエディター」を開き、以下を選択する。
    ※【注】この手順はTPMが利用できる環境では実施しなくてよい。

「コンピューターの構成」
 →「管理用テンプレート」
  →「Windowsコンポーネント」
   →「BitLocker ドライブ暗号化」
    →「オペレーティングシステムのドライブ」
     →「スタートアップ時に追加の認証を要求する」


  1. 「スタートアップ時に追加の認証を要求する」の項目を選択し、未構成から有効にする。「互換性のあるTPMが装備されていないBitLockerを許可する」に必ずチェックを入れること。それ以外はデフォルトで問題ない。
    ※【注】この手順はTPMが利用できる環境では実施しなくてよい。


  2. 再度、Cドライブを右クリック→「BitLockerを有効にする」を選択すると、暗号化処理を進めることができる。初めにロック解除方法をパスワードにするか、USBキーにするかを選択できる。今回はパスワードで設定する。



  3. 「回復キーのバックアップ方法を指定してください」では、以下のいずれかを選択する。今回は「ファイルに保存する」を選択した。
  • USBフラッシュドライブに保存する
  • ファイルに保存する
  • 回復キーを印刷する


なお、回復キーをファイルに保存する場合は、暗号化対象のドライブへの保存はエラーとなり実施できない(以下の通り「この場所は使用できません」のエラーとなる)。別ドライブやNASなどのネットワークドライブに保存すること。


  1. 「使用する暗号化モードを選ぶ」では、デフォルトの「新しい暗号化モード」とする。Windows 10以降で利用可能なモードとなるが、今時Windows 10以前のOSを使うこともそうそうないため、特別な理由がない限り「新しい暗号化モード」で問題ないだろう。


  2. 「このドライブを暗号化する準備ができましたか?」では、「BitLockeシステムチェックを実行する」にチェック入れたままとする。


    これをチェックすると暗号化前に再起動を実施し、起動時のパスワードで問題なくログインできるか確認することができる。


  3. 再起動後、バックグラウンドで暗号化処理が開始される。


    最初はすごく処理に時間がかかるが、途中で突然早くなったりするので、あまり進捗は気にせず待つほうが良い。ちなみに、10GB程度のファイル暗号化で、5分以内に完了した。


  4. 暗号化処理が終わると、「ディスクの管理」からも「BitLockerで暗号化済み」と表示されるようになる。



別OSにBitLocker暗号化済みディスクをマウントした場合

暗号化ディスクが別のOSで見た場合、どのように見えるか確認してみた。先ほど暗号化処理を行った仮想マシンをシャットダウンし、Windows Server 2019 (BitLocker未インストール)の別OSにディスクをマウントしてみた。すると、以下の通り鍵付きマークで表示され、ダブルクリックしても反応はなく内容の確認はできなかった。



マウント先のOSにもBitLockerをインストールすると、ダブルクリックして開こうとするとパスワードを求められるようになるので、設定したパスワードを入力することで内容を確認することができる。



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