2019年8月21日水曜日

最小インストールしたRHEL 7に、GUI環境 (Gnome)を追加インストールする方法

個人的にRed Hat Enterprise Linux 7 (以降、(RHEL 7))を使う場合、ほとんどGUI環境 (Gnome)をインストールして使うことはないのだが、今回使う必要性がでてきたため、最小インストールした状態のRHEL 7に対して、後からGUI環境をインストールする手順を確認してみた。

環境

  • RHEL 7.6

手順

  1. DVDのOSイメージをマウント
# mount /dev/cdrom /mnt
  1. マウントしたイメージをレポジトリとして設定
# vi /etc/yum.repos.d/dvd.repo

[dvd]
baseurl=file:///mnt/
enabled=1
gpgcheck=1
gpgkey=file:///etc/pki/rpm-gpg/RPM-GPG-KEY-redhat-release
  1. yumでインストールを実施
    dvd.repoファイルを作成することで、yumが使えるようになる。982件のパッケージが追加インストールされる。
# yum groupinstall "Server with GUI"
読み込んだプラグイン:product-id, search-disabled-repos, subscription-manager
This system is not registered with an entitlement server. You can use subscription-manager to register.
リポジトリー 'dvd' は構成中に名前がありませんので ID を使います
There is no installed groups file.
Maybe run: yum groups mark convert (see man yum)
dvd                                                      | 4.3 kB     00:00
(1/2): dvd/group_gz                                        | 146 kB   00:00
(2/2): dvd/primary_db                                      | 4.2 MB   00:00
パッケージ 1:NetworkManager-config-server-1.12.0-6.el7.noarch はインストール済みか最新バージョンです
Warning: Group core does not have any packages to install.
依存性の解決をしています
--> トランザクションの確認を実行しています。
---> パッケージ ModemManager.x86_64 0:1.6.10-1.el7 を インストール
--> 依存性の処理をしています: ModemManager-glib(x86-64) = 1.6.10-1.el7 のパッケ ージ: ModemManager-1.6.10-1.el7.x86_64
--> 依存性の処理をしています: libmbim-utils のパッケージ: ModemManager-1.6.10-1.el7.x86_64

~(中略)~

トランザクションの要約
================================================================================
インストール  275 パッケージ (+707 個の依存関係のパッケージ)

総ダウンロード容量: 701 M
インストール容量: 2.1 G
Is this ok [y/d/N]:y   ←★yを入力
Downloading packages:
警告: /mnt/Packages/GConf2-3.2.6-8.el7.x86_64.rpm: ヘッダー V3 RSA/SHA256 Signature、鍵 ID fd431d51: NOKEY
GConf2-3.2.6-8.el7.x86_64.rpm の公開鍵がインストールされていません
--------------------------------------------------------------------------------
合計                                                43 MB/s | 701 MB  00:16
file:///etc/pki/rpm-gpg/RPM-GPG-KEY-redhat-release から鍵を取得中です。
Importing GPG key 0xFD431D51:
 Userid     : "Red Hat, Inc. (release key 2) <security@redhat.com>"
 Fingerprint: 567e 347a d004 4ade 55ba 8a5f 199e 2f91 fd43 1d51
 Package    : redhat-release-server-7.6-4.el7.x86_64 (@anaconda/7.6)
 From       : /etc/pki/rpm-gpg/RPM-GPG-KEY-redhat-release
上記の処理を行います。よろしいでしょうか? [y/N]y   ←★yを入力
Importing GPG key 0x2FA658E0:
 Userid     : "Red Hat, Inc. (auxiliary key) <security@redhat.com>"
 Fingerprint: 43a6 e49c 4a38 f4be 9abf 2a53 4568 9c88 2fa6 58e0
 Package    : redhat-release-server-7.6-4.el7.x86_64 (@anaconda/7.6)
 From       : /etc/pki/rpm-gpg/RPM-GPG-KEY-redhat-release
上記の処理を行います。よろしいでしょうか? [y/N]y   ←★yを入力
Running transaction check
Running transaction test
Transaction test succeeded
Running transaction
警告: RPMDB は yum 以外で変更されました。
  インストール中          : atk-2.28.1-1.el7.x86_64                       1/982
  インストール中          : fontpackages-filesystem-1.44-8.el7.noarch     2/982

~(中略)~

  1. ランレベル変更
    RHEL 6では/etc/inittabを変更してランレベルを変更していたが、RHEL 7ではコマンドで変更する。
# systemctl get-default
multi-user.target

# systemctl set-default graphical.target
Removed symlink /etc/systemd/system/default.target.
Created symlink from /etc/systemd/system/default.target to /usr/lib/systemd/system/graphical.target.
  1. OS再起動
# reboot
  1. 再起動後確認
    再起動すると無事GUI環境で起動してくる。初回起動時は、初期セットアップウィザードが表示されるので、適宜設定する。なお、root以外のアカウントが設定されていない場合は、新規に1つユーザ作成が必要となるので注意。
初期セットアップウィザードの画面。言語やタイムゾーンなどを選択する。

ウィザードが終了すると、ようやくGUI環境が使えるようになる。

ログイン後の画面。特にエラーもなく、問題なく動作しているようだ。


2019年8月14日水曜日

Red Hat Enterprise Linux 8をインストールして、動作確認してみた

とうとうRed Hat Enterprise Linux 8 (以降RHEL 8)が2019年5月7日にリリースされた。忙しくて試すことができていなかったが、ようやく評価ライセンスとISOをダウンロードして試すことができたので、インストール手順と簡単に動作確認をした結果を記載する。

インストール手順はRHEL 7と大差ない

ESXi 6.7 Update 1環境にインストールしてみる。
  1. ESXiで仮想マシン作成時に「Red Hat Enterprise Linux 8 (64ビット)」を選択しておく。


  2. ISOイメージから起動させ、「Install Red Hat Enterprise Linux 8.0.0」を選択する。デフォルトでは、「Test this media 8 install Red Hat Enterprise Linux 8.0.0」が選ばれているが、メディアスキャンが必要な場合はほとんどないし、時間もかかるのでお勧めしない。


  3. 言語はいつも通り日本語を選ぶ。


  4. RHEL 7に比べて、設定画面は見やすくなった。


  5. RHEL 7はデフォルトで「最小限のインストール」だったが、RHEL 8ではデフォルトが「サーバー (GUI使用)」なので注意。GUI環境が不要な場合は、必ず変更しよう。今回は「最小限のインストール」でインストールすることにし、仮想環境なので「ゲストエージェント」のみにチェックを入れてみた。


  6. インストールが開始される。



    最小限のインストールであれば、10分もかからないで完了するはず。
  7. 特にエラーもなく起動できた。

設定コマンド等もRHEL 7と大差ない

基本的なコマンドはRHEL 7と変更になっていないようだ。以下、変更がなかったコマンドを列挙する。
設定項目 コマンド
サービス設定 systemctl
パッケージ管理 yum (後述するが実態はdnfへのシンボリックリンク)
リソース確認 top, vmstat
NIC設定 nmcli, nmtui
ネットワーク確認 ip a, ip r, ss, ping, tracepath
ディスク設定 fdisk, parted, pvcreate, vgcreate, lvcreate
ディスク確認 df, pvdisplay, vgdisplay, lvdisplay

OS基本情報を確認

カーネルバージョンが4.x台になっている。
[root@localhost ~]# uname -a
Linux localhost.localdomain 4.18.0-80.el8.x86_64 #1 SMP Wed Mar 13 12:02:46 UTC 2019 x86_64 x86_64 x86_64 GNU/Linux
[root@localhost ~]# cat /etc/redhat-release
Red Hat Enterprise Linux release 8.0 (Ootpa)

ファイルシステムを確認

RHEL 7をvSphere環境で作る際はBIOSが選択されていたが、RHEL 8の場合はUEFIが選択されるようになる。それによるディスクパーティション構成に差異があるようだ。
最も大きな違いは、パーティションテーブルが「GPT」になっていることだと思う。
[root@localhost ~]# df -h
ファイルシス          サイズ  使用  残り 使用% マウント位置
devtmpfs                900M     0  900M    0% /dev
tmpfs                   915M     0  915M    0% /dev/shm
tmpfs                   915M  8.7M  907M    1% /run
tmpfs                   915M     0  915M    0% /sys/fs/cgroup
/dev/mapper/rhel-root    13G  1.3G   12G   11% /
/dev/sda2              1014M  158M  857M   16% /boot
/dev/sda1               599M  6.6M  593M    2% /boot/efi
tmpfs                   183M     0  183M    0% /run/user/0

[root@localhost ~]# parted /dev/sda p
モデル: VMware Virtual disk (scsi)
ディスク /dev/sda: 17.2GB
セクタサイズ (論理/物理): 512B/512B
パーティションテーブル: gpt
ディスクフラグ:

番号  開始    終了    サイズ  ファイルシステム  名前                  フラグ
 1    1049kB  630MB   629MB   fat32             EFI System Partition  boot, esp
 2    630MB   1704MB  1074MB  xfs
 3    1704MB  17.2GB  15.5GB                                          lvm

YumがDNFになった

Yumが後継のDNFに代わっている。yumコマンドはdnfコマンドのシンボリックリンクとなっている。なお、DNFは「Dandified Yum」の略称。「ダンディーなYum」ってこと?
[root@localhost ~]# yum
Updating Subscription Management repositories.
Unable to read consumer identity
This system is not registered to Red Hat Subscription Management. You can use subscription-manager to register.
usage: dnf [options] COMMAND

~(以下略)~

人気の投稿