2020年4月29日水曜日

vCenter Server Appliance (vCSA) 7.0のインストール手順と6.7との相違点

先日ESXi 7.0をインストールしてみたので、引き続きvCenter Server Appliance 7.0 (以下vCSA)をインストールしてみることにした。

※ESXi 7.0のインストール手順はこちら↓
【2020年4月最新版!】ESXi 7.0をESXi on ESXiでインストールしてみた
https://tech-mmmm.blogspot.com/2020/04/20204esxi-70esxi-on-esxi.html

前提条件

vCSAインストール前に、以下前提条件を満たすことを確認しておこう。
  • vCSAに設定するホスト名およびIPアドレスがDNSに登録されており、名前解決(正引きおよび逆引き)できること
  • ESXiも同様にホスト名およびIPアドレスがDNSに登録されており、名前解決(正引きおよび逆引き)できること
  • NTPサーバが存在しており時刻同期ができること

インストール手順

1. Windows OSにvCSAのISOイメージをマウント

インストール対象のESXiに通信ができるWindows OS (Windows Serverも可)にvCSAのISOイメージをマウントする。なお、このインストーラを起動させるWindows OSは適切にDNSの問い合わせ先の設定を行い、vCSAやESXiの名前解決ができる状態にしておくこと。

マウントしたのち、以下パスにあるインストーラを実行する。

※私の環境ではDドライブとなっている。
D:\vcsa-ui-installer\win32\installer.exe


2. インストーラにてインストール「ステージ1」を実行

インストーラが起動するので「インストール」を選択する。

説明が表示されるので「次へ」を選択する。

「エンドユーザー使用許諾契約書」では、「同意します」にチェックを入れ、「次へ」を選択する。

「アプライアンスのデプロイ ターゲット」では、ESXiのIPアドレス(DNSに登録しているホスト名でも可能)と、ESXiのrootユーザ/パスワードを設定する。

「証明書に関する警告」は「はい」を選択する。

「アプライアンス仮想マシンの設定」では、ESXi上にデプロイする仮想マシン名(仮想マシン名なので、ここはDNSの名前とは関係なく任意の名前でよい)とvCSAのrootユーザに設定するパスワードを指定する。

デプロイサイズは、管理対象のホスト・仮想マシン台数に応じて設定する。今回は「極小」を選択した。

なお、展開先のESXiに必要なメモリサイズ(12GBより大きいサイズ。12GBちょうどだと展開に失敗)が不足していると警告が表示され先に進めないので注意すること。

インストール先のデータストアを選択する。デフォルトではシックプロビジョニングとなるため、容量を節約したい場合は「シンディスクモードの有効化」にチェックすること。

「ネットワークの設定」では、以下の通り設定する。
  • ネットワーク:vCSAを接続する標準ポートグループを指定
  • IPバージョン:IPv4でOK
  • IP割り当て:固定でOK
  • FQDN:DNSに登録済みのvCSAの「FQDN
  • IPアドレス:DNSに登録済みのvCSAのIPアドレス
  • サブネットマスクまたはプレフィックス長:
  • デフォルトゲートウェイ:適切に設定
  • DNSサーバ:適切に設定
  • 共通ポート:デフォルトのままでOK

最後に確認画面が表示されるので、「完了」を選択するとインストールが開始する。
  • 0%~80%:vCSAの仮想アプライアンスをESXi上にデプロイ
  • 80%:vCSAの仮想アプライアンスが起動される
  • 80%~100%:追加パッケージをインストール


インストールが完了したら、「続行」を選択する。なお、インストーラの開始からここまでスムーズに進めば20分程度で完了する。

3. インストール「ステージ2」を実行

ステージ2の開始の画面は「次へ」を選択する。

「アプライアンス設定」では、以下の通り設定する。トラブルシューティング時に便利なのでSSHアクセスは有効にするのがおすすめだ。
  • 時刻同期モード:NTPサーバと同期
  • NTPサーバ:適切に設定
  • SSHアクセス:有効

SSO設定では、「新しいSSOドメインを作成」を選び、ドメイン名やパスワードを設定する。なお、すでにvCSAが展開済みで拡張リンクモードを構成する場合は、「既存のSSOドメインの参加」を選択する。

「CEIPの設定」はチェックを外しておく。

設定の確認で問題なければ、「終了」を選択する。

警告が表示されるが、「OK」を選択すればよい。

アプライアンスのセットアップが開始するので、100%になるまで待機する。ステージ2は、開始からここまでスムーズに進めば15分以内に完了する。

4. ログイン

ログイン画面の大きな違いはvSphere Web Client (FLASH)がとうとう廃止されたことだ。そのため、vSphere Client (HTML5)のみ選択可能となっている。

5. ESXiホストを登録

ホストの追加手順は、vSphere 6.7と大きな変更はない。

インストール時に設定したパスワード使い、administrator@vsphere.localでログインする。

vCSAのバージョンが7.0.0であることがわかる。左ツリーを右クリックし、データセンターとクラスターを作成しておく。

クラスターを右クリックし、「ホストの追加」を選択する。

追加するESXiほホスト名を設定する。特に問題なければユーザはrootを使用する。

セキュリティアラートのポップアップは「OK」で閉じる。

ホストサマリでは、vCSAが稼働しているため「このホストにはパワーオン状態の仮想マシンが1台あります」の警告が表示されるが、そのまま「次へ」を選択する。

「完了」を選択する。

問題なくホストが登録されれば、左ツリーにESXiとvCSAの仮想マシンが表示される。


変更点

1. 外部Platform Services Controller (PSC)構成は廃止され組み込みのPSCのみサポートとなった

以下KBにも記載がある通り、外部PSC構成は非サポート構成となり、組み込みのPSCのみサポートとなった。したがって、vCSA 7.0ではそもそも外部PSC構成の選択ができないようになっている。

2. vSphere Web Client (FLASH)の廃止

ようやくvSphere Web Client (FLASH)が廃止され、vSphere Client (HTML5)のみが利用できるようになった。vCSA 6.7までは、一部設定はvSphere Web Client (FLASH)を利用する必要があって、操作が煩雑な部分があったが、vCSA 7.0ではすべての作業がvSphere Client (HTML5)でできるようになった、と思われる。

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