Windowsで標準で利用可能なWSFC (Windows Server Failover Clustering) では、SQL Serverもクラスター化することができる。SQL ServerをWSFCに組み込みは、SQL Serverのインストールウィザードにて実施できる。
今回は、SQL ServerをWSFCのクラスターに組み込み冗長化する手順を記載する。
環境
今回は以下の環境にてWSFCを構築し、SQL Serverの導入を行う。なお、WSFC構築のために別途Active Directoryが必要となるので、構築しておくことが前提となる。
- OS : Windows Server 2019
- SQL Server : SQL Server 2019
WSFC構成
WSFCのクラスターは構成済みであることを前提とする。クラスター化手順については、以下別記事に記載しているため、参照し対応すること。
1号機へSQL Serverインストール
1. SQL ServerのISOイメージ内のインストーラを起動
WSFCを構成する1号機のサーバにログインして作業を行う。
SQL ServerのISOイメージをマウントすると、直下に「setup.exe
」があるため、こちらをダブルクリックして起動する。
2. 「SQL Serverフェイルオーバークラスターの新規インストール」を選択
SQL Serverのインストーラが起動するため、左メニュー→「インストール」→「SQL Serverフェイルオーバークラスターの新規インストール」を選択する。
3. インストールウィザードに従い設定①
ここからはインストールウィザードに従い設定する。今回は評価版としてインストールするため、以下の通り設定した。
設定 | 設定内容 |
---|---|
プロダクトキー | 「無償のエディションを指定する」を選択。 |
ライセンス条項 | 「同意します」にチェック。 |
Microsoft Update | 「更新プログラムを確認する」のチェックを外す。 |
製品の更新プログラム | 「SQL Server製品の更新プログラムを含める」のチェックを外す。 |
4. セットアップファイルのインストール
インストールウィザードの設定が完了すると、サーバ上にセットアップファイルがインストールされる。
5. インストールウィザードに従い設定②
再びインストールウィザードに戻るため、以下の通り設定する。
設定 | 設定内容 |
---|---|
機能の選択 | 「データベースエンジンサービス」と「クライアントツール接続」をインストール。 |
インスタンスの構成 | SQL Serverの仮想IPアドレスと紐づけられるネットワーク名 (ホスト名) やインスタンス名を設定する。デフォルトでは「既定のインスタンス」という設定となっているが、今回はあえて「名前付きインスタンス」とし「TEST 」という名前とした。 |
クラスターリソースグループ | そのまま「次へ」を選択する。 |
クラスターディスクの選択 | SQL Serverのデータ領域とする共有ディスクを指定する。適切なディスクを選択して「次へ」を選択する。 |
クラスターネットワークの構成 | 仮想IPアドレスを設定する。 |
サーバーの構成 | SQL Serverを起動させるサービスアカウントとパスワードを設定する。クラスターを構成したサーバ全台で同一アカウントとする必要があることから、ドメインユーザを指定したほうがよいだろう。 |
データベースエンジンの構成 | 認証モードやSQL Serverのデータディレクトリの指定ができる。認証モードに関しては「Windows認証モード」または「混合モード」が選択できる。混合モードの場合はSQL Server独自認証が利用できる。 |
インストールの準備完了 | 最後にインストール内容の確認画面が表示されるため、問題ないことを確認し「次へ」を選択する。 |
インストールは5分程度で完了する。
6. インストール後の確認
インストール完了後、「フェイルオーバークラスターマネージャー」を開き「役割」確認すると、SQL Serverの役割が追加できていることが確認できる。
ただし、現時点では1号機のみSQL Serverがインストールされた状態であるため、フェイルオーバーをさせることができない。そのため、引き続き2号機に対してSQL Serverのインストールを行う。
2号機へSQL Serverインストール
1. SQL ServerのISOイメージ内のインストーラを起動
WSFCを構成する2号機のサーバにログインして作業を行う。
SQL ServerのISOイメージをマウントすると、直下に「setup.exe
」があるため、こちらをダブルクリックして起動する。
2. 「SQL Serverフェイルオーバークラスターにノードを追加」を選択
SQL Serverのインストーラが起動するため、左メニュー→「インストール」→「SQL Serverフェイルオーバークラスターにノードを追加」を選択する。
3. インストールウィザードに従い設定①
ここからはインストールウィザードに従い設定する。今回は評価版としてインストールするため、以下の通り設定した。
設定 | 設定内容 |
---|---|
プロダクトキー | 「無償のエディションを指定する」を選択。 |
ライセンス条項 | 「同意します」にチェック。 |
Microsoft Update | 「更新プログラムを確認する」のチェックを外す。 |
製品の更新プログラム | 「SQL Server製品の更新プログラムを含める」のチェックを外す。 |
4. セットアップファイルのインストール
インストールウィザードの設定が完了すると、サーバ上にセットアップファイルがインストールされる。
5. インストールウィザードに従い設定②
再びインストールウィザードに戻るため、以下の通り設定する。
設定 | 設定内容 |
---|---|
クラスターノードの構成 | 1号機で設定したインスタンス名などが表示される。問題なければ、そのまま「次へ」を選択する。 |
クラスターネットワークの構成 | 1号機で設定した仮想IPアドレスなどが表示される。問題なければ、そのまま「次へ」を選択する。 |
サービスアカウント | 1号機で設定したサービスアカウントなどが表示される。サービスアカウントのパスワードを入力し、「次へ」を選択する。 |
インストールの準備完了 | 最後にインストール内容の確認画面が表示されるため、問題ないことを確認し「次へ」を選択する。 |
インストールは5分程度で完了する。
6. インストール後の確認
インストール完了後、「フェイルオーバークラスターマネージャー」を開きSQL Serverの役割を右クリックし、「移動」→「ノードの選択」を選択する。
フェイルオーバーが開始される。
問題なく2号機にフェイルオーバーすることを確認する。
以上でWSFCでSQL Serverをクラスター化する作業は完了となる。
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