以前、FreeNASをインストールし、iSCSIストレージとして構築する手順を記載した。
FreeNASは、近年のストレージOSでは標準機能となっている「スナップショット」によるボリュームのデータ静止点の確保ができる。スナップショットは実際のデータのコピーが発生しないため即座に完了する特徴があり、取得したスナップショットからリストアも一瞬で完了する。
さらにスナップショットのデータを別のボリュームとしてコピーして利用することもできる。これにより、もとのボリュームのデータは残しつつ、ボリューム内の一部データだけをリストアするといった使い方ができる。
今回、FreeNASで取得したスナップショットを使って、コピーしたiSCSボリュームをESXiにマウントする手順を記載する。
環境
- FreeNAS : FreeNAS-11.3-U4.1
- vCenter Server : vCSA 6.7
- ESXi : 6.7
FreeNASにてスナップショットを取得
1. スナップショットを作成
「Storage / Snapshots」画面にて「Add」を選択する。
「Dataset」にスナップショットを取得する対象のDatasetを選択する。今回は「pool-01」を選択した。「Name」はデフォルトで取得日時が付与された名前で設定されているので、好みに応じて変更すればよい。
2. スナップショットをコピー
作成したスナップショットの右側にある「>」マークにて展開するすると、「CLONE TO NEW DATASET」が表示されるので選択する。
※なお、「ROLLBACK」はスナップショットにてボリュームそのものをリストアする際に使用する。
スナップショットのコピー名称は「<スナップショット名>-clone」とデフォルトで設定されるが、こちらも好みに応じて変更すればよい。
スナップショットのコピーは「Storage / Pools」から確認できる。もとの「pool-01」配下に、先ほど作成したスナップショットのコピーが作成されていることがわかる。
FreeNASにてiSCSIの設定を行う
1. iSCSIのLUN (=Extent) を作成
「Sharing / iSCSI / Extents」にてiSCSI用のLUNを作成する。この際に、「Path to the extent」にてスナップショットのコピー配下に存在するファイルを指定する。今回はスナップショットのコピー配下の「extent-01」を指定した。
なお、「Extent Size」は既存のファイルを指定する場合は0を指定する。
2. LUNとターゲットの紐づけ
「Sharingi / SCSI / Associated Targets」にて、先ほど作成したLUNにESXiからアクセスできるように、ターゲットと紐づけの設定を行う。
vCenter Serverにて新しいデータストアとしてマウント
1. ESXiでLUNを認識していることを確認
vSphere Clientにログインし、任意のESXiを右クリックして、「ストレージ」→「ストレージの再スキャン」を選択する。
これにより、ESXiの「設定」→「ストレージデバイス」に先ほどFreeNASで設定したiSCSIのLUNが表示されるはずだ。
2. データストアを「新しい署名を割り当て」して作成
コピーされたデータストアはそのままでは自動でマウントされないため、任意のESXiを右クリックして、「ストレージ」→「新しいデータストア」を選択する。
新しいデータストアを作成する際に、先ほどFreeNASで設定したLUNを選択する。データストア名は、マウント時に自動で設定されるため、ここではデフォルトのままにしておけばよい。
マウントオプションの画面では、「署名 ~ を持つ未解決のVMFSボリュームがこのディスク上で検出されました。」とメッセージが表示されるので、必ず「新しい署名を割り当て」を選択する。
あとはデフォルトのままでウィザードを終了する。問題なければ、「snap-XXXXXXXX-<コピー元のデータストア名>」という名前でデータストアがマウントされるはずだ。
まとめ
このようにFreeNASではスナップショット機能があり、バックアップ・リストアを瞬時に実行することや、スナップショットからコピーしたボリュームを作成することができる。
今回は手作業によるスナップショット取得を行ったが、FreeNASでは定期的なスナップショット取得と保存期間の管理を設定することができるので、その手順については別途記事にすることにする。
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