近年のストレージは、スナップショット機能が標準で搭載されており、バックアップを瞬時に取得することができ、さらに取得したスナップショットからボリュームをコピーすることもできる。
この機能を使うことで、ESXiにストレージのスナップショットからコピーしたボリュームを別のデータストアとしてマウントして、データストアの中の一部の仮想マシンやvmdkファイルのみをコピーしなおしてリストアするといった使い方が可能となる。
ただし、スナップショットからコピーしたデータストアは、データストア名やUUIDが重複することから、そのままではESXiにマウントすることができず、「新しい署名の割り当て」が必要となる。この作業はvCenter ServerのGUI (vSphere Client) であれば実施可能であるが、ESXiのGUI (VMware Host Client) では実施することができない。
ただし、ESXi単体であっても、CLIを使えば実施可能であるため、今回、ESXi Shellを使用して、スナップショットからコピーしたデータストアを別のデータストアとしてマウントしてみることにする。
手順
1. ストレージにてスナップショットからコピーしたボリュームを作成
まずはストレージ側でスナップショットを取得し、取得したスナップショットからボリュームを作成する。これはストレージによって手順が異なるので、手順の詳細は割愛するが、参考情報として、過去QNAPとFreeNASで実施した記事を以下に記載する。
ストレージ | 参考記事 |
---|---|
QANP | QNAP NASのiSCSIボリュームをクローンして別のVMFSデータストアとしてマウントさせる手順 |
FreeNAS | FreeNASのスナップショットからコピーしたiSCSIボリュームを作成する手順 |
2. VMware Host ClientにてVMFSをスキャン
VMware Host Clientにログインし、左メニューの「ストレージ」→「デバイス」タブを選択し、「再スキャン」を選択する。再スキャン後、コピーしたデータストアがデバイスとして表示されることを確認しておく。
3. SSHでESXiにログイン
次に、SSHにてESXiにログインする。デフォルトではSSHが無効となっていることから、無効になっている場合は有効にしておくこと。
4. VMFS一覧を確認
以下コマンドにて、作業実施前にVMFSの一覧を確認しておく。今回は「iscsi_fnas_01」のデータストアをコピーしたボリュームをマウントする。
# esxcli storage filesystem list
Mount Point Volume Name UUID Mounted Type Size Free
------------------------------------------------- ------------------------------------------ ----------------------------------- ------- ------ ----------- -----------
/vmfs/volumes/5f4e587d-2e195734-cfd3-dca63269a366 datastore1 5f4e587d-2e195734-cfd3-dca63269a366 true VMFS-6 45634027520 44125126656
/vmfs/volumes/5f5d5450-787693d8-d588-000c29d16ed8 iscsi_fnas_01 5f5d5450-787693d8-d588-000c29d16ed8 true VMFS-6 53418655744 11974737920
/vmfs/volumes/5f4e587a-25e427e9-4e0d-dca63269a366 OSDATA-5f4e587a-25e427e9-4e0d-dca63269a366 5f4e587a-25e427e9-4e0d-dca63269a366 true VMFS-L 8321499136 5568987136
/vmfs/volumes/794a74c9-cb43f6a4-f0b4-d9e894c50593 BOOTBANK1 794a74c9-cb43f6a4-f0b4-d9e894c50593 true vfat 4293591040 4168286208
/vmfs/volumes/1ee2ff72-75413af3-738d-850e8ab0de94 BOOTBANK2 1ee2ff72-75413af3-738d-850e8ab0de94 true vfat 4293591040 4293525504
5. コピーしたVMFSを確認
以下コマンドにて、スナップショットからコピーしたVMFS (署名が重複するVMFS) を確認することができる。「iscsi_fnas_01」のデータストアが表示されることがわかる。
※なお、本コマンドは結果が表示されるまで少々時間を要する。
# esxcli storage vmfs snapshot list
5f5d5450-787693d8-d588-000c29d16ed8
Volume Name: iscsi_fnas_01
VMFS UUID: 5f5d5450-787693d8-d588-000c29d16ed8
Can mount: false
Reason for un-mountability: the original volume is still online
Can resignature: true
Reason for non-resignaturability:
Unresolved Extent Count: 1
6. コピーしたVMFSに新しい署名の割り当て
esxcli storage vmfs snapshot resignature
コマンドで「新しい署名の割り当て」を行う。
# esxcli storage vmfs snapshot resignature -l iscsi_fnas_01
7. 再度VMFS一覧を確認
再度VMFSの一覧を確認する。「snap-XXXXXXXX-iscsi_fnas_01」という名前で新たにデータストアを認識していることがわかる。
# esxcli storage filesystem list
Mount Point Volume Name UUID Mounted Type Size Free
------------------------------------------------- ------------------------------------------ ----------------------------------- ------- ------ ----------- -----------
/vmfs/volumes/5f4e587d-2e195734-cfd3-dca63269a366 datastore1 5f4e587d-2e195734-cfd3-dca63269a366 true VMFS-6 45634027520 44125126656
/vmfs/volumes/5f5d5450-787693d8-d588-000c29d16ed8 iscsi_fnas_01 5f5d5450-787693d8-d588-000c29d16ed8 true VMFS-6 53418655744 11974737920
/vmfs/volumes/5f93c0b7-47026233-4f95-dca63269a366 snap-53543aa8-iscsi_fnas_01 5f93c0b7-47026233-4f95-dca63269a366 true VMFS-6 53418655744 11991515136
/vmfs/volumes/5f4e587a-25e427e9-4e0d-dca63269a366 OSDATA-5f4e587a-25e427e9-4e0d-dca63269a366 5f4e587a-25e427e9-4e0d-dca63269a366 true VMFS-L 8321499136 5568987136
/vmfs/volumes/794a74c9-cb43f6a4-f0b4-d9e894c50593 BOOTBANK1 794a74c9-cb43f6a4-f0b4-d9e894c50593 true vfat 4293591040 4168286208
/vmfs/volumes/1ee2ff72-75413af3-738d-850e8ab0de94 BOOTBANK2 1ee2ff72-75413af3-738d-850e8ab0de94 true vfat 4293591040 4293525504
VMware Host Clientでも「更新」ボタンを押すことでコピーしたデータストアが表示されるようになる。
以上で作業は完了となる。
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