2024年6月4日にZabbixの最新バージョンであるZabbix 7.0がリリースされた。
リリースノートは以下にて確認できる。
本記事では、Zabbix 7.0をAlmaLinux 9とMariaDBを用いてインストールする手順を記載する。なお、PostgreSQLを用いてインストールする手順は以下記事にて記載しているので参考にしていただきたい。
環境
環境は以下の通り。LinuxディストリビューションはAlmaLinux 9.4を使用する。AlmaLinuxはRed Hat Enterprise Linux互換ディストリビューションであるため、Red Hat Enterprise LinuxやCentOSなどでも同様の手順でインストールできるはずだ。
- OS:AlmaLinux 9.4
- DB:MariaDB 10.5.22
- Web Server:Apache 2.4.57
Zabbixをインストールする際は、サポートされるDBのバージョンを確認しておく必要がある。以下URLでサポートされるDBのバージョンを確認することができるが、Zabbox 7.0の場合、MariaDBは10.5.00-11.3.Xを使用することが求められる。
なお、dnf
を使うため、インターネット接続できる環境であることが前提となる。
インストール手順
1. SELinuxとfirewalldを停止する
これらが動いているとうまく動作しないことが多いので停止しておく。
2. MariaDBをインストール
dnf
でMariaDBをインストールすると、AlmaLinux 9.4ではバージョン10.5.22がインストールされる。このバージョンはZabbix 7.0がサポートしているため問題ないが、もしサポート外のバージョンの場合は、zabbix-serverのサービス起動に失敗するため注意しよう。
# dnf install mariadb mariadb-server -y
設定は特に変更せずデフォルトの状態で起動させておく。
# systemctl start mariadb
# systemctl enable mariadb
3. Zabbix 7.0をインストール
以下コマンドを実行することで、Zabbix 7.0をインストールすることができる。
# rpm -Uvh https://repo.zabbix.com/zabbix/7.0/alma/9/x86_64/zabbix-release-7.0-2.el9.noarch.rpm
# dnf clean all
# dnf install zabbix-server-mysql zabbix-web-mysql zabbix-apache-conf zabbix-sql-scripts zabbix-selinux-policy zabbix-agent -y
Web画面の英語表示や日本語表示をできるよう、以下のパッケージも追加でインストールしておく。
# dnf install glibc-langpack-en zabbix-web-japanese -y
4. DBの初期設定
DBの初期設定として、DB作成とユーザーへの権限付与を行う。
まずは、MariaDBに接続し、DB「zabbix」を作成する。DB「Zabbix」に対する全権限をユーザー「zabbix」に付与しておく。パスワードは好みで設定すればよい。
# mysql -uroot -p
Enter password:
Welcome to the MariaDB monitor. Commands end with ; or \g.
Your MariaDB connection id is 3
Server version: 10.5.22-MariaDB MariaDB Server
Copyright (c) 2000, 2018, Oracle, MariaDB Corporation Ab and others.
Type 'help;' or '\h' for help. Type '\c' to clear the current input statement.
MariaDB [(none)]> create database zabbix character set utf8mb4 collate utf8mb4_bin;
Query OK, 1 row affected (0.000 sec)
MariaDB [(none)]> create user zabbix@localhost identified by 'P@ssw0rd!';
Query OK, 0 rows affected (0.001 sec)
MariaDB [(none)]> grant all privileges on zabbix.* to zabbix@localhost;
Query OK, 0 rows affected (0.000 sec)
MariaDB [(none)]> set global log_bin_trust_function_creators = 1;
Query OK, 0 rows affected (0.000 sec)
MariaDB [(none)]> quit;
Bye
Zabbix初期化用SQLファイルが用意されているので、以下コマンドで流し込みを行う。パスワードは先ほど作成したzabbixユーザのパスワードを指定する。特にエラー等なく、プロンプトが返ってくれば問題ない。
# zcat /usr/share/zabbix-sql-scripts/mysql/server.sql.gz | mysql --default-character-set=utf8mb4 -uzabbix -p zabbix
Enter password:
# echo $?
0
5. Zabbixの初期設定
/etc/zabbix/zabbix_server.conf
は、先ほど設定したDB「Zabbix」に接続するためのzabbixユーザのパスワードを設定する。
# vi /etc/zabbix/zabbix_server.conf
DBPassword=P@ssw0rd!
6. Zabbixを起動
以上で準備が整ったので、Zabbixを起動させる。
# systemctl restart zabbix-server zabbix-agent httpd php-fpm
# systemctl enable zabbix-server zabbix-agent httpd php-fpm
7. Web画面で初期セットアップを行う
以下URLにアクセスし、初期セットアップを行う。
http://<Zabbixサーバーのホスト名 or IPアドレス>/zabbix/
最初の画面では、言語選択が可能となっているので、「ja-JP」を選択し、「次のステップ」を選択する。
「前提条件のチェック (Check of pre-requisites)」では、すべて「OK」となっていることを確認する。通常はデフォルト設定ですべて「OK」となっているはずである。
「データベース接続設定 (Configure DB connection)」では、事前に設定したパスワードを入力し、他はデフォルトのままとする。
「設定 (Settings)」では、「Zabbixサーバー名」がデフォルト空白なのでホスト名など入れてもよい。「Zabbixサーバー名」で設定した名前が何に使われるかというと、操作画面の右上に表示されるだけのようなので、空白のままでも動作に支障はない。また、タイムゾーンの設定ができるようになっているので、「(UTC+9:00) Asia/Tokyo」を選択しておこう。
「設定パラメータの確認 (Pre-installation summary)」で設定を再確認できる。
問題なければ以下のような画面が表示され、設定値がetc/zabbix/web/zabbix.conf.php
に保存される。これでインストール作業は完了となる。
8. Zabbixにログインする
初期設定が終わるとログイン画面に遷移するので、早速ログインしてみよう。初期ID/パスワードは以下の通り。
- ID:Admin ※Aは大文字。大文字小文字の区別をするため注意
- パスワード:zabbix
以上で完了となる。特に問題なければ、1時間もあればインストールできる。Zabbix 6.0からインタフェースに劇的な変更はないように見えるが、細かいところで変更は入っているようなので、今後使いながら確認していきたい。
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