2021年11月17日水曜日

AlmaLinuxをESXiにインストールしてみた

Red Hat Enterprise Linux (RHEL) のダウンストリーム版のディストリビューションであるCentOS 8は2021年末でサポートが終了し、以降はRHELのアップストリーム版であるCentOS Streamのみがサポートされることが発表された。

当初、CentOS 8は2029年までサポートされる予定であったが、突然サポート期間が短縮されてしまったことにより、CentOS 8を利用しているユーザは、早急にCentOS StreamやRHELへの移行を検討する必要が生じている

そんな中、今までのCentOSと同様の位置付けのRHELダウンストリーム版のディストリビューションの開発がいくつかのプロジェクトで進められており、「AlmaLinux」もそのディストリビューションの1つである。

AlmaLinuxは2021/3/30にバージョン8.3が正式リリースされたので、実際にAlmaLinuxをESXi上の仮想マシンとしてインストールしてみた

環境

  • ESXi : 6.7 Update 3
  • OS : AlmaLinux 8.3

AlmaLinuxインストール手順

1. AlmaLinuxのISOイメージをダウンロード

AlmaLinuxのISOイメージは、以下URLからダウンロードできる。

RHEL 8やCentOS 8と同様に、DVDのISOイメージ (AlmaLinux-8.3-x86_64-dvd.iso) は8.6GBもあるため、容量が大きすぎて困る場合は、minimal (AlmaLinux-8.3-x86_64-minimal.iso) をダウンロードし、必要なパッケージは別途インストールしても問題ない。

今回は、minimalをダウンロードしてインストールを行う。

2. ESXiにて仮想マシンを作成

ESXiの仮想マシンは以下設定にて作成する。

  • ゲストOSのファミリ : Linux
  • ゲストOSのバージョン : その他の Linux 4.x 以降 (64 ビット)
  • [仮想マシンのオプション] → [UEFIセキュアブートの有効化] : チェックを外す

CentOS 8と異なり「UEFIセキュアブートの有効化」のチェックが有効のままではインストールが開始できないので、必ずチェックを外すこと。
※【注意】AlmaLinux 8.4以降はSecure Bootに対応したため本手順は不要。

もし、チェックをしたままだと「EFI VMware Virtual SATA CDROM Drive (0.0)… unsuccessful.」のメッセージが表示され、ISOイメージからの起動ができない。なお、OSインストール後に有効に戻してもAlmaLinuxは起動できないことを確認している。

3. RHELやCentOSと同様にインストール

ISOイメージからブートしてしまえば、RHELやCentOSでおなじみのインストールウィザードが開始される。最低限、言語設定、時刻と日付 (タイムゾーン)、rootパスワード、インストール先を設定し、インストールを開始する。

4. インストール後、ログイン

インストール後、仮想コンソールを使ってrootでログインし、nmtuiなどを使ってネットワークの設定を行う。

なお、redhat-releaseを確認したところ、以下の通り「AlmaLinux 8.3」となっていることが確認できた。

# cat /etc/redhat-release
AlmaLinux release 8.3 (Purple Manul)

5. open-vm-toolsをインストール

ネットワークの設定を行いインターネットに接続できるようになったら、dnfにてopen-vm-toolsをインストールする。

# dnf install open-vm-tools -y
最速のミラーを確定しています (70 hosts).. done. ---  B/s |   0  B     --:-- ETA
AlmaLinux 8 - BaseOS                            3.4 MB/s | 3.4 MB     00:01
AlmaLinux 8 - AppStream                          12 MB/s | 6.8 MB     00:00
AlmaLinux 8 - PowerTools                         13 MB/s | 2.1 MB     00:00
AlmaLinux 8 - Extras                             65 kB/s | 3.6 kB     00:00
依存関係が解決しました。
================================================================================
 パッケージ           Arch        バージョン               リポジトリー   サイズ
================================================================================
インストール:
 open-vm-tools        x86_64      11.1.0-2.el8             appstream      715 k
依存関係のインストール:
 fuse                 x86_64      2.9.7-12.el8             baseos          82 k
 fuse-common          x86_64      3.2.1-12.el8             baseos          21 k
 libdrm               x86_64      2.4.101-1.el8            appstream      164 k
 libmspack            x86_64      0.7-0.3.alpha.el8.4      appstream       71 k
 libpciaccess         x86_64      0.14-1.el8               baseos          32 k
 libtool-ltdl         x86_64      2.4.6-25.el8             baseos          58 k
 libxslt              x86_64      1.1.32-5.el8             baseos         249 k
 pciutils             x86_64      3.6.4-2.el8              baseos         102 k
 tar                  x86_64      2:1.30-5.el8             baseos         837 k
 xmlsec1              x86_64      1.2.25-4.el8             appstream      190 k
 xmlsec1-openssl      x86_64      1.2.25-4.el8             appstream       93 k

トランザクションの概要
================================================================================
インストール  12 パッケージ

ダウンロードサイズの合計: 2.6 M
インストール済みのサイズ: 7.6 M
パッケージのダウンロード:
done.inux 8 - BaseOS     [            ===     ] ---  B/s |   0  B     --:-- ETA
(1/12): fuse-common-3.2.1-12.el8.x86_64.rpm     1.2 MB/s |  21 kB     00:00
(2/12): libpciaccess-0.14-1.el8.x86_64.rpm      1.2 MB/s |  32 kB     00:00
(3/12): fuse-2.9.7-12.el8.x86_64.rpm            2.5 MB/s |  82 kB     00:00
(4/12): libtool-ltdl-2.4.6-25.el8.x86_64.rpm    3.1 MB/s |  58 kB     00:00
(5/12): pciutils-3.6.4-2.el8.x86_64.rpm         5.5 MB/s | 102 kB     00:00
(6/12): libxslt-1.1.32-5.el8.x86_64.rpm         7.8 MB/s | 249 kB     00:00
(7/12): libdrm-2.4.101-1.el8.x86_64.rpm         4.0 MB/s | 164 kB     00:00
(8/12): tar-1.30-5.el8.x86_64.rpm                11 MB/s | 837 kB     00:00
(9/12): libmspack-0.7-0.3.alpha.el8.4.x86_64.rp 1.2 MB/s |  71 kB     00:00
(10/12): xmlsec1-1.2.25-4.el8.x86_64.rpm        9.9 MB/s | 190 kB     00:00
(11/12): xmlsec1-openssl-1.2.25-4.el8.x86_64.rp 2.9 MB/s |  93 kB     00:00
(12/12): open-vm-tools-11.1.0-2.el8.x86_64.rpm  8.2 MB/s | 715 kB     00:00
--------------------------------------------------------------------------------
合計                                            9.4 MB/s | 2.6 MB     00:00

~(中略)~

インストール済み:
  fuse-2.9.7-12.el8.x86_64            fuse-common-3.2.1-12.el8.x86_64
  libdrm-2.4.101-1.el8.x86_64         libmspack-0.7-0.3.alpha.el8.4.x86_64
  libpciaccess-0.14-1.el8.x86_64      libtool-ltdl-2.4.6-25.el8.x86_64
  libxslt-1.1.32-5.el8.x86_64         open-vm-tools-11.1.0-2.el8.x86_64
  pciutils-3.6.4-2.el8.x86_64         tar-2:1.30-5.el8.x86_64
  xmlsec1-1.2.25-4.el8.x86_64         xmlsec1-openssl-1.2.25-4.el8.x86_64

完了しました!

open-vm-toolsがインストールされると、ESXiでもホスト名やIPアドレスを認識するようになる。

以上でAlmaLinuxのインストールが完了となる。

更新履歴

  • 2021/11/17 AlmaLinux 8.4 GA版のリリースに伴い内容を更新 (Secure Bootにサポートした旨追記)

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