2022年10月15日土曜日

ESXi 7.0・ESXi 8.0のOS領域を最小サイズでインストールする

ESXi 7.0やESXi 8.0では、ESXi 6.7の頃と比較してOS領域のパーティションが大幅に設計変更が加わっている。先に結論を言うと、ESXi 6.7以前は数GB程度と非常に少ない容量でOSインストールをすることができたが、ESXi 7.0(ESXi 8.0)では最大で128GBがOSインストール領域として使用される

以下に、ESXi 6.7とESXi 7.0(ESXi 8.0)のdfコマンドの結果を比較した結果を記載する。

▼ESXi 6.7
ESXi 6.7では、OS領域であるvfatの領域が4つが作成され、残りの容量はVMFS-6のデータストアが作成されている。

[root@localhost:~] df -h
Filesystem   Size   Used Available Use% Mounted on
VMFS-6      32.5G   1.4G     31.1G   4% /vmfs/volumes/datastore1
vfat       249.7M 147.6M    102.1M  59% /vmfs/volumes/f471577b-dca3afaf-29c3-0d637cde3004
vfat       285.8M 195.8M     90.0M  68% /vmfs/volumes/60022d77-6ee455cf-0106-000c29369e16
vfat       249.7M   4.0K    249.7M   0% /vmfs/volumes/eb87dc73-7f38d4c9-e1f8-0b2e37658546
vfat         4.0G   4.2M      4.0G   0% /vmfs/volumes/60022d81-569c280c-e4f2-000c29369e16

▼ESXi 7.0(ESXi 8.0)
ESXi 6.7では、OS領域であるvfatの領域が2つが「BOOTBANK1」と「BOOTBANK2」というボリューム名で作成されている。残りの領域は「OSDATA」というボリュームが作成されており、VMFSのデータ領域として利用できる領域は存在しない。

[root@localhost:~] df -h
Filesystem  Size   Used Available Use% Mounted on
VFFS       31.8G   2.8G     29.0G   9% /vmfs/volumes/OSDATA-60039d1b-e99807cf-372a-000c29ff2470
vfat        4.0G 169.3M      3.8G   4% /vmfs/volumes/BOOTBANK1
vfat        4.0G  64.0K      4.0G   0% /vmfs/volumes/BOOTBANK2

上記のようにESXi 7.0(ESXi 8.0)では、インストール対象のディスクサイズが128GB未満の場合は全領域が「OSDATA]というOS領域として確保され、仮想マシン用のデータストアとしては使用できない。検証用途でESXi 7.0を使用する場合、多くの容量がOS領域に使用されるため非常に効率が悪い。

そこで、ESXi 7.0(ESXi 8.0)のインストール時もOSのインストールサイズを縮小し、残りのディスク容量をデータストアとして使用できる手順を確認した。

手順としては以下2つの方法で対処できる。最も容量を減らしたい場合は、2番目のESXi 6.7からのアップグレード手順がおすすめとなる。

  1. ESXi 7.0(ESXi 8.0)のインストーラのブートオプションにautoPartitionOSDataSize=8192を指定
  2. ESXi 6.7インストール後、ESXi 7.0(ESXi 8.0)にアップグレード

以下に、それぞれの手順を記載する。なお、ESXi 6.7からESXi 7.0(ESXi 8.0)にアップグレードする場合は、アップグレードパスをVMwareのサイトで確認しておこう。

環境

環境は以下の通り。本記事の手順は、ESXi 7.0とESXi 8.0両方で使用できるが、手順説明はESXi 7.0を用いて実施する。
  • ESXi 7.0 Update 1c及びESXi 8.0
  • Nested ESXi環境
  • OSインストールディスク容量 : 40GB

ESXi 7.0のインストーラのブートオプションにautoPartitionOSDataSize=8192を指定

1. ESXiのインストーラ起動時に「Shift+O」を押す

「Shift+O」を押すことで、ブートオプションを追加できるようになる。画面表示から5秒以内に押す必要があるので注意しよう。

2. OSData領域のサイズを指定

初めからcdromBoot runweaselと入力されているので、続けて以下のようにautoPartitionOSDataSize=8192のパラメータを追加し、Enterを押下する。

cdromBoot runweasel autoPartitionOSDataSize=8192

3. 通常手順にてインストールを実施

通常の手順にてESXiをインストールする。以前別記事でインストール手順は確認しているので、詳細はそちらを参照いただきたい。

4. インストール後のパーティションの確認

インストール後のディスクパーティションを確認してみると、OSDATA領域は約8GBの容量に抑えられたことにより、残りの容量がVMFS-6のデータストアとして作成されていることがわかる。ただし、40GBのディスクのうち、データストアの容量は23.8GBのみとなった。

[root@localhost:~] df -h
Filesystem  Size   Used Available Use% Mounted on
VMFS-6     23.8G   1.4G     22.3G   6% /vmfs/volumes/datastore1
VFFS        7.8G   2.8G      5.0G  36% /vmfs/volumes/OSDATA-600399b1-ae861d06-cb7b-000c29ff2470
vfat        4.0G 169.4M      3.8G   4% /vmfs/volumes/BOOTBANK1
vfat        4.0G  64.0K      4.0G   0% /vmfs/volumes/BOOTBANK2

ESXi 6.7インストール後、ESXi 7.0(ESXi 8.0)にアップグレード

1. ESXi 6.7を通常インストール

ESXi 6.7を通常インストールする。特別な手順は不要となる。この時点では、パーティションは以下の通りとなり、40GBのうち32.5GBがVMFS-6のデータストアとして作成されている。

[root@localhost:~] df -h
Filesystem   Size   Used Available Use% Mounted on
VMFS-6      32.5G   1.4G     31.1G   4% /vmfs/volumes/datastore1
vfat       249.7M 147.6M    102.1M  59% /vmfs/volumes/f471577b-dca3afaf-29c3-0d637cde3004
vfat       285.8M 195.8M     90.0M  68% /vmfs/volumes/60022d77-6ee455cf-0106-000c29369e16
vfat       249.7M   4.0K    249.7M   0% /vmfs/volumes/eb87dc73-7f38d4c9-e1f8-0b2e37658546
vfat         4.0G   4.2M      4.0G   0% /vmfs/volumes/60022d81-569c280c-e4f2-000c29369e16

2. ESXi 6.7をシャットダウン

ESXi 7.0にアップグレードするため、ESXi 6.7を一度シャットダウンする。

3. ESXi 7.0(ESXi 8.0)のインストーラにてブート

ESXi 7.0(ESXi 8.0)のインストールISOイメージを使って、ESXi 7.0(ESXi 8.0)のインストーラをブートする。

Nested ESXiの環境は、仮想ディスクのブート順位が高いため、仮想マシンの「設定の編集」→「仮想マシン オプション」→「起動オプション」→「強制的にBIOSセットアップ」にチェックを入れたのち、仮想マシンを起動させる。

起動にBIOSのBoot Managerが表示されるので、「EFI VMware Virtual SATA CDROM Drive (0.0)」を選択し、ESXi 7.0のISOイメージから起動を実施する。

4. ESXi 7.0(ESXi 8.0)にアップグレード

ESXiをアップグレードするが、手順としては通常インストールとほぼ同一となる。唯一の変更点は、インストールディスク選択時に「ESXi and VMFS found」の画面が表示されるので、必ず「Upgrade ESXi, preserve VMFS datastore」を選択すること。

5. インストール後のパーティションの確認

インストール後のディスクパーティションを確認してみると、OS領域だけでなく、VMFS-6のデータストアも作成されていることがわかる。ESXi 6.7のデータストアは維持されるため、ESXi 7.0(ESXi 8.0)となっても、データストアの容量は32.5GBの容量から変化しない。

[root@localhost:~] df -h
Filesystem   Size   Used Available Use% Mounted on
VMFS-6      32.5G   1.4G     31.1G   4% /vmfs/volumes/datastore1
VFFS         6.2G   2.7G      3.5G  44% /vmfs/volumes/OSDATA-600248ad-7bcf04bf-134c-000c29369e16
vfat       499.7M 166.1M    333.6M  33% /vmfs/volumes/BOOTBANK2
vfat       499.7M   8.0K    499.7M   0% /vmfs/volumes/BOOTBANK1

参考

更新履歴

  • 2021/3/30 新規作成
  • 2022/10/15 ESXi 8.0の記述を追記

0 件のコメント:

コメントを投稿

人気の投稿