2022年10月8日土曜日

ESXi 6.7 Update 3をESXi 7.0 Update 3にバージョンアップする手順

ESXi 6.7は2022/10/15にGENERAL SUPPORTが終了となる(TECHNICAL GUIDANCEはその1年後)。自宅では、2018年から長らくESXi 6.7を使って稼働させてきた。

しかし、上記サポート終了を受け、とうとう自宅サーバをESXi 6.7 Update 3からESXi 7.0 Update 3にバージョンアップした。バージョンアップ自体は問題なく実施できたが、他にも同様にバージョンアップをする場合に参考になるかもしれないので、本記事では、私が実施したESXi 6.7 Update 3からESXi 7.0 Update 3にバージョンアップする手順を記載する。

環境

今回の環境は以下の通り。

  • バージョンアップ前:ESXi 6.7 Update 3
  • バージョンアップ後:ESXi 7.0 Update 3

ESXi 6.7に追加で個別にVIBをインストールしていたりすると、バージョンアップ時にエラーとなり失敗するケースがある。例えば、ESXi 7.0から利用できないRealtek製NICのドライバなどがインストールされているとエラーとなる可能性がある。

そこで今回は直接バージョンアップするのではなく、一度ESXi 6.7をクリーンインストールしたのち、ESXi 7.0にバージョンアップする手順としている。またこの方法を用いると、ESXi 7.0のインストール領域が最小限に抑えることもできる。詳細は以下記事を参照いただきたい。

ESXi 6.7 Update 3からESXi 7.0 Update 3へのバージョンアップ手順

1. (Realtek製NICを使用している場合) Intel NICなどにNIC変更を実施

ESXi 6.7ではRealtek製NICであっても、有志が作成したドライバを導入することでESXiのNICとして認識させることができた。しかし、ESXi 7.0ではRealtek製NICをサポートしておらず使用することができない

そのため、既存環境でRealtek製NICを使用している場合は、新たにPCIカードのIntel製NICに変更するか、USB NICなどに変更する必要がある。

USB NICを使用する場合は、使用できるチップセットや事前に必要となるVIBファイルなどがあるため、詳細は以下記事を参照いただきたい。

ちなみに、私の自宅サーバはIntel製NICが4ポートあり空きポートが存在いたことから、仮想スイッチの物理NICを変更することで対処した。

2. PowerCLIで設定値保存

ESXiクリーンインストール前に、設定値を保存しておく。今回は突貫ではあるが以下のようなPowerCLIの簡単なコマンド一覧を使って設定値の保存を行った。

# Hardware
Get-VMHostHardware | fl *
Get-VMHostPciDevice | ft -AutoSize -Wrap

# Host
Get-VMHost | fl *
Get-VMHostAccount | ft -AutoSize -Wrap
Get-VMHostAdvancedConfiguration | ft -AutoSize -Wrap
Get-VMHostService | ft -AutoSize -Wrap

(Get-VMHost | Get-EsxCli).system.snmp.get()

# Network
Get-VMHostNetworkAdapter | ft -AutoSize -Wrap
Get-VMHostNetwork | fl *
Get-VMHostNetworkStack | fl *
Get-VMHostFirewallException | ft -AutoSize -Wrap
Get-VMHostRoute | ft -AutoSize -Wrap

Get-VirtualNetwork | ft -AutoSize -Wrap
Get-VirtualPortGroup | ft -AutoSize -Wrap
Get-VirtualSwitch | ft -AutoSize -Wrap
Get-VirtualSwitch | Get-SecurityPolicy | ft -AutoSize -Wrap

# Disk & Datastore
Get-VMHostDisk | fl *
Get-VMHostDiskPartition | ft -AutoSize -Wrap
Get-VMHostHba | fl *
Get-VMHostStorage | fl *

Get-Datastore | ft -AutoSize -Wrap

# VM
Get-VM

3. ESXi 6.7をクリーンインストール

ESXi 6.7 Update 3をクリーンインストールする。手順自体はインストールISOイメージをマウントしてインストールするだけなので詳細は割愛するが、途中確認される「ESXi and VMFS Found」の画面では、必ず「Install ESXi, preserve VMFS datastore」を選択すること。ここを間違えると、データストアにある仮想マシンが消失するので注意する。

インストールできたら、最低限ネットワークとVMkernelポートの設定を行い、データストアが問題なく認識していることを確認しておこう。

4. ESXi 7.0にバージョンアップ

続いて、ESXi 7.0 Update 3にバージョンアップする。手順自体はインストールISOイメージをマウントしてインストールするだけなので詳細は割愛するが、途中確認される「ESXi and VMFS Found」の画面では、必ず「Upgrade ESXi, preserve VMFS datastore」を選択すること。ここを間違えると、データストアにある仮想マシンが消失するので注意する。

インストールできたら、最低限ネットワークとVMkernelポートの設定を行い、データストアが問題なく認識していることを確認しておこう。

5. 各種設定を実施

後は、もともとのESXiに設定していた各種設定を反映させよう。私の環境の場合は以下設定の反映が必要だった。

  • VMkernel設定
  • 仮想スイッチ設定
  • ポートグループ設定
  • NTP設定
  • ユーザ及びロール設定
  • SNMP Trap設定
  • ESXi起動時の仮想マシンの自動起動設定

以上で、ESXi 6.7 Update 3からESXi 7.0 Update 3にバージョンアップする手順は完了となる。本手順でバージョンアップした自宅サーバは、バージョンアップ後、特に問題なく稼働している。


0 件のコメント:

コメントを投稿

人気の投稿