2018年5月15日火曜日

各社のオールフラッシュ (All Flash) ストレージのIOPSまとめ


近年は、HDDに代わり性能面、容量面でSSDの方が上回る時代となっている。たとえば、以下URLにあるように、1本で15.36TBの容量を持ち32,000IOPSを発揮できるSSDがすでに市場に投入されている。

Samsung Introduces World’s Largest Capacity (15.36TB) SSD for Enterprise Storage Systems
https://news.samsung.com/global/samsung-now-introducing-worlds-largest-capacity-15-36tb-ssd-for-enterprise-storage-systems

一方、エンタープライズ向けに利用されるSASのHDDは、1本で高々1TB程度の容量しかなく、性能も150IOPS程度にとどまるのが現状だ。

このようなSSDとHDDの性能差は今後も広がることが想定されるため、SSDは通常利用用途、HDDはNL SASやSATAの大容量HDDを利用したバックアップ・ログ等の安価なデータ保管用途といった棲み分けが進むと考えている。

さて、本題に入ろう。

上記のような状況もあるので、私個人としても最近はもAll Flashのストレージを提案するという案件が増加している。そこで、一度各メーカーが販売しているAll Flashストレージの性能比較をしてみたいと思い、インターネットを検索して情報をまとめてみることにした。

All FlashストレージのIOPSまとめ

以下がまとめた表となる。原則Read/Write混在の計測データを載せるようにしたかったが、なかなかそのような情報を見つけることが困難なストレージ製品もあり、そのような場合はReadのみの計測データを記載している。

したがって、計測方法に差もあることから、単純にこれだけでストレージ製品の性能比較をすることはできないので注意すること。

Noメーカー製品名IOPS計測条件参考URL
1IBMV5030
(※参考)
85,020300GB 15krpm HDD x 240 RAID10
SPC-1 IOPS
リンク
2HPEMSA 2040 SSD29,000200 GB SSD x 4 RAID5
Random 60%/40%RW
リンク
3HPE3PAR StoreServ 8200140,656400GB SSD x 8 Raid5 (7+1)
80/20RW
リンク
4HPE3PAR StoreServ 8400140,656400GB SSD x 8 Raid5 (7+1)
80/20RW
リンク
5HPE3PAR StoreServ 8450141,504400GB SSD x 8 Raid5 (7+1)
80/20RW
リンク
6HPE3PAR StoreServ 8440 4N545,164400GB SSD x 32 Mirroring
SPC-1 IOPS
リンク
7HPE3PAR StoreServ 8450 4N545,164400GB SSD x 32 Mirroring
SPC-1 IOPS
リンク
8IBMV5030F145,000Maximum IOPS 4 KB cached off
Random 70%/30%RW
リンク
9IBMV7000F162,000Maximum IOPS 4 KB cached off
Random 70%/30%RW
リンク
10IBMA9000500,000Random 70%/30%RWリンク
11DELL EMCVMAX250F1,000,0008K 100% readリンク
12DELL EMCVMAX950F6,700,0008K 100% readリンク
13DELL EMCUnity 350F130,0008K 100% readリンク
14DELL EMCUnity 450F305,0008K 100% readリンク
15DELL EMCUnity 550F395,0008K 100% readリンク
16DELL EMCUnity 650F440,0008K 100% readリンク
17NetAppAFF A700s2,400,059145GB SSD x 24 RAID-DP
SPC-1 IOPS
リンク
18Pure StorageFlashArray //m20150,00032K 100% readリンク
19Pure StorageFlashArray //m50220,00032K 100% readリンク
20Pure StorageFlashArray //m70300,00032K 100% readリンク

考察

HDDを利用したストレージについて(参考値として記載)

No1に記載しているIBM V5030はAll Flashストレージではなく、昔ながらのHDDを使ったストレージとなり、比較用の参考値として記載した。HDDの場合は、数万IOPSの性能を出すためには、ディスクの本数を240本も導入しなければならないことがわかる。

HPEのストレージについて

No2はHPEのエントリークラスのストレージであり、SSDを利用しても性能が低い。そもそもSSDを使うなら、SSDの性能を発揮できるストレージを選ぶことが重要ということがわかる。

No3~7はHPEのミッドレンジクラスのストレージとなる。計測条件の違いもあるとは思うが、同じストレージでも性能にバラつきがある。HDDを利用した際と同様に、ディスク本数が多く、RAID1相当の構成の方が性能が高い傾向にあるようだ。

なお、3PARについては、実際に私個人でも性能計測したことがあり、SSD x 40本、RAID5の構成で、15万~20万IOPSの性能となった。

IBMのストレージについて

No8、9はIBMのミッドレンジクラスのストレージとなる。HPEの3PARと同程度の性能であることを考えると、ミッドレンジクラスのAll FlashストレージのRead/WriteのIO性能は、10~20万IOPSとして見込んでおくとよさそうだ。

DELL EMCのストレージについて

No11、12はDELL EMCのハイエンドクラスのストレージとなり、桁違いに速い。No13~16はミッドレンジクラスのストレージとなり、Readのみで数十万IOPSの性能となっていることから、Read、Writeが混在した環境においては、他メーカーと大きな性能差はないものと想定される。

NetAppのストレージについて

No17のNetAppは、NASを得意とするメーカーだけあって、FCだけでなくNFS、CIFSに対応したAll Flashストレージとなっている。ストレージのOSについても、NetAppのNASで培われてきたONTAPを利用する。

Pure Storageのストレージについて

No18~20は新興メーカーのPure StorageのAll Flashストレージ製品となる。なお、Pure StorageはAll Flashのみを販売するストレージメーカーとなる。他メーカーでは通常4Kや8Kなどの小さなブロックサイズでのスループット計測とするところを、Pure Storageでは32KのブロックサイズのIOPSを計測しており、そのような状況においても15万~30万IOPSの性能を発揮できることが売りとのこと。

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