2024年7月26日金曜日

Windows Serverの設定情報を一括取得するスクリプト

先日、Linuxの設定情報を1つのテキストファイルに出力するスクリプトを作成した。

Linuxに引き続き、今回はWindows Serverの設定情報を1つのテキストファイルに出力し、一括取得するスクリプトを作ってみた。このスクリプトを使うことで、Windows Serverの設定に関しても、ネットワーク機器のように設定変更時の差分をdiffツールにて比較をできるようにする。

環境

本スクリプトの動作確認をしたOSは以下の通り。

  • OS : Windows Server 2022 または 2019
  • 実行シェル : PowerShell 5.1

Windows Server設定項目一覧

本スクリプトで取得する設定項目は以下となる。

取得設定項目 取得設定内容
ホスト名・OSバージョン情報 OSのバージョン、カーネル番号、稼働時間など
ハードウェア情報 CPUのコアやソケット数、メモリ容量、PCIデバイス一覧
OS基本設定 Get-ComputerInfoで取得できる情報取得とページングファイルのサイズ設定
ネットワーク設定 各種ネットワーク関連設定。DNSやhostsファイルの設定を含む
ディスク設定 各種ディスク情報
光学ドライブ設定 CD/DVDドライブ情報
ユーザ・グループ設定 ローカルユーザー一覧、ローカルグループ一覧
リモートデスクトップ設定 リモートデスクトップに関する設定
時刻設定 タイムゾーン設定、時刻同期 (w32tm) に関する設定
OS言語設定 使用している言語
サービス設定 サービス一覧
役割・機能 Windowsの役割・機能の一覧
更新プログラム 適用済み更新プログラムの一覧
インストールソフトウェア インストールソフトウェア一覧
PowerShellモジュール インストール済みPowerShellモジュールの一覧
イベントビューアー イベントビューアーの設定情報。セキュリティイベントログの設定情報取得の際は管理者で実行が必要
Windows Defenderファイアウォール Windows Defenderファイアウォールの設定・ルール一覧

上記は一般的なWindows Serverの設定項目となっている。追加した役割・機能に応じて、適宜情報取得コマンドを追加するといったカスタマイズが必要となる。

スクリプト

今回作成したスクリプトはGitHubに置いてあるので、そちらを参照いただきたい。なお。Gitからダウンロードした際は文字コードがUTF-8になるため、Shift JISに変換して保存しなおしてから実行すること。

スクリプトには以下の関数を用意しており、効率よく設定値を取得できるようにしている。以下に関数の動作概要を記載する。

関数名 内容
show_title 取得対象の設定項目のタイトルを表示
get_command コマンドを実行して、その結果を取得
get_command_bat コマンドを実行して、その結果を取得(コマンドプロンプト用)
get_config 設定ファイルからコメント(#から始まる行)及び空行を削除して内容を取得

使い方

任意のディレクトリに配置したのち、PowerShellを「管理者として実行」で開き、配置ディレクトリに移動する。あとは以下の通り実行すれば情報取得が開始する。実行時間は環境にもよるが、10秒程度もあれば終了する。

PS> .\get_windows_config.ps1

なお本スクリプトは、PowerShellを「管理者として実行」せずとも、Administrators権限があればほとんどの情報取得には成功するよう作ってある。
※セキュリティイベントログの設定情報のみ取得に失敗する。

同じディレクトリ内に以下のファイル名でログが出力される。

[ホスト名]_config_[yyyyMMdd-HHmmss].log

情報取得結果のサンプル

以下に取得とした設定情報を例として記載する。
Start-Transcriptのヘッダーは省略している。

コマンドによる情報取得の場合は(command)# [実行コマンド]または(command_bat)# [実行コマンド]、設定ファイルの情報取得の場合は(config)# [ファイルのフルパス]と表示することで、どのように情報取得をしたかわかるようにしている。

################################
ホスト名・OSバージョン情報
################################

(command_bat)# cmd /C 'hostname'
WIN-K7OLL2H57TT

(command_bat)# cmd /C 'whoami.exe /user'

USER INFORMATION
----------------

User Name     SID
============================= =============================================
win-k7oll2h57tt\administrator S-1-5-21-3230081072-2687372604-3793060616-500


(command)# Get-WmiObject Win32_OperatingSystem | Select-Object Caption, OSArchitecture, Version, CodeSet, CountryCode, LastBootUpTime

Caption                                           OSArchitecture Version    CodeSet CountryCode LastBootUpTime
-------                                           -------------- -------    ------- ----------- --------------
Microsoft Windows Server 2022 Standard Evaluation 64 ビット         10.0.20348 932     81          20220516063525.500000+540

~(中略)~

################################
ディスク設定
################################

(command)# Get-Disk

Number Friendly Name       Serial Number                    HealthStatus OperationalStatus Total Size Partition Style
------ -------------       -------------                    ------------ ----------------- ---------- ---------------
0      VMware Virtual disk 6000c29703b80e9e48cca37b8d165c0b Healthy      Online                 80 GB GPT


(command)# Get-WmiObject Win32_DiskDrive | Select-Object Index, DeviceID, Model, @{N='SizeGB'; E={[Math]::Round($_.Size/1GB, 2)}}, Partitions | sort Index

Index DeviceID           Model                                SizeGB Partitions
----- --------           -----                                ------ ----------
    0 \\.\PHYSICALDRIVE0 VMware Virtual disk SCSI Disk Device     80          3


(command)# Get-WmiObject Win32_DiskPartition | Select-Object DiskIndex, Index, Name, BlockSize, Bootable, @{N='SizeGB'; E={[Math]::Round($_.Size/1GB, 2)}}, Type, Description | sort DiskIndex, Index

DiskIndex Index Name                BlockSize Bootable SizeGB Type            Description
--------- ----- ----                --------- -------- ------ ----            -----------
        0     0 ディスク #0, パーティション #0       512     True    0.1 GPT: System     GPT: システム
        0     1 ディスク #0, パーティション #1       512    False   79.3 GPT: Basic Data GPT: ベーシック データ
        0     2 ディスク #0, パーティション #2       512    False   0.58 GPT: Unknown    GPT: 不明

~(以下略)~

以上。

更新履歴

  • 2022/5/28 新規作成
  • 2024/7/26 スクリプトの文字コードをShift JISにする旨を追記

3 件のコメント:

  1. 式またはステートメントのトークンを使用できません。
    的な表示がされてしまいましたね。終端記号‘がありません。とも表示されましたね。

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    返信
    1. ありがとうございます。
      Gitからダウンロードすると文字コードがUTF-8になることが原因のようです。Shift JISに変換が必要な旨追記いたします。

      削除
    2. そうなんですね。ありがとうございます。こちらも確認してみます

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