一般の家庭ではほぼ使うことはないが、業務上で時々ノートPCなどからタグVLANでネットワーク通信を行いたい場合がある。1つのVLANであれば、標準のドライバにて対応していることもあるが、複数のタグVLANを設定して通信をさせることは通常実施できない。
RealtekのUSB NICにおいては、Realtekから提供されている「Realtek Ethernet Diagnostic Utility」をインストールすることで、複数のタグVLANを設定し通信をすることを実現できる。
本記事ではその方法について記載する。
※なお本記事では触れないが、Intel製のNICであれば「PROSet」と呼ばれるソフトウェアをインストールすれば、同様に複数VLANによる通信を行うことができる。
環境
Windows 10のノートPCを用いて、以下のUSB NICを接続して動作確認を行った。
動作確認には、タグVLANを処理できるL2スイッチである以下製品を利用した。このスイッチを用いたVLAN設定方法については、以下別記事を参照いただきたい。
タグVLAN設定手順
1. Realtekのサイトから「Diagnostic Program for Win7/Win8/Win10」をダウンロード
Realtekのサイトに、タグVLANを設定するためのソフトウェアとして「Realtek Ethernet Diagnostic Utility」が用意されている。こちらをまずはダウンロードする。
ただし、ダウンロードサイトの記載は「Diagnostic Program for Win7/Win8/Win10」となっているので注意すること。
2. 「Realtek Ethernet Diagnostic Utility」をインストール
ダウンロードしたファイルを解凍しインストーラを実行すると、インストールウィザードが起動する。インストールウィザードでは、特に難しい設定はせず、「次へ」を押して進めばよい。
インストールが完了すると、自動で「Realtek Ethernet Diagnostic Utility」が起動する。
3. VLANインタフェースを追加
RealtekのUSB NICを左ツリーから選択し「VLAN」を表示させ、「追加」ボタンを押すことでVLAN IDを設定できる。
VLAN IDを設定すると自動でMACアドレスが生成され、VLANインタフェースが作成することができる。ここで必要な数のVLAN IDを追加すればよい。
ここで作成されたVLANインタフェースは、Windowsの「ネットワーク接続」の一覧においても、「Realtek Virtual Adapter」というデバイス名でネットワークアダプターが表示される。
4. 作成されたネットワークアダプターにIPアドレスを設定
後は通常のWindows OSと同様にIPアドレスの設定を行えば完了となる。
5. 動作確認
動作確認として、タグVLANを処理できるスイッチを接続しPingによる疎通確認をしたところ、問題なく疎通できることを確認した。
以上で、RealtekのUSB NICを使って複数のタグVLANを設定する手順は完了となる。
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