2021年7月13日火曜日

QNAP NASをZabbixを使ってSNMPポーリング監視する

QNAPのNASは、ストレージOSとしてQTSという独自OSが動作している。このOSにはZabbix Agentが提供されていないが、SNMPポーリング及びSNMP Trapによる監視を実装することができる。

今回、QNAP NASをZabbixを使ってSNMPポーリング監視するための設定手順を記載する。

環境

  • QNAP : TS-231P
  • QTS : 4.5.1.1540
  • Zabbix : 5.0.10

監視設定手順

1. QNAP NASにてSNMPを有効化

QNAP NASの設定は非常に簡単であり、「コントロールパネル」→「ネットワークとファイルサービス」→「SNMP」を選択し、以下を設定するだけでよい。

設定項目 設定値
SNMPサービスを有効にする チェック
トラップアドレス1 ZabbixのIPアドレスを設定
SNMPバージョン SNMP V1/V2
コミュニティ public (または任意で設定。Zabbix側の設定も合わせること)

2. ZabbixにてQNAP NASをホスト登録

ZabbixにQNAP NASをホスト登録する。SNMPによる監視を行うため、インタフェースにSNMPを追加する。

「SNMPコミュニティ」は、QNAP NASのコミュニティがpublicの場合は、特に設定変更は不要であり、{$SNMP_COMMUNITY}のままとすればよい。{$SNMP_COMMUNITY}はマクロであり、Zabbixの「管理」→「一般設定」→「マクロ」にてpublicにて設定されている。もし変更する場合は、ホストの設定で直接修正するか、マクロの設定を修正する。

3. Zabbixにてテンプレートをリンク

QNAP NASはSNMPによる監視を行う。Zabbix 5.0の場合は、以下のテンプレートを使うことで、CPU、メモリ、ディスク、ネットワークの必要なリソース情報の監視を実装できる。

監視項目 テンプレート
CPU Template Module HOST-RESOURCES-MIB SNMPv2
メモリ 同上
ディスク 同上
ネットワーク Template Module Interfaces SNMPv2

QNAP NASのホスト設定の「テンプレートをリンク」にて、上記2つのテンプレートをリンクする。

ディスカバリによって自動的に必要なアイテム、トリガーの作成が行われるが、手動でディスカバリをしたい場合は、「ディスカバリルール」タブで対象のディスカバリルールを選択し、「監視データ取得」を選択する。

4. SNMP Trap監視を有効化

SNMP Trap監視は、Zabbixに対して各種設定が必要となるため、以下別記事を参照すること。

5. 動作確認

ディスカバリがされると、以下の通り、CPU、メモリ、ディスクの各情報がグラフとして表示できるようになる。


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