QNAPのNASは、ストレージOSとしてQTSという独自OSが動作している。このOSにはZabbix Agentが提供されていないが、SNMPポーリング及びSNMP Trapによる監視を実装することができる。
今回、QNAP NASをZabbixを使ってSNMPポーリング監視するための設定手順を記載する。
環境
- QNAP : TS-231P
- QTS : 4.5.1.1540
- Zabbix : 5.0.10
監視設定手順
1. QNAP NASにてSNMPを有効化
QNAP NASの設定は非常に簡単であり、「コントロールパネル」→「ネットワークとファイルサービス」→「SNMP」を選択し、以下を設定するだけでよい。
設定項目 | 設定値 |
---|---|
SNMPサービスを有効にする | チェック |
トラップアドレス1 | ZabbixのIPアドレスを設定 |
SNMPバージョン | SNMP V1/V2 |
コミュニティ | public (または任意で設定。Zabbix側の設定も合わせること) |
2. ZabbixにてQNAP NASをホスト登録
ZabbixにQNAP NASをホスト登録する。SNMPによる監視を行うため、インタフェースにSNMPを追加する。
「SNMPコミュニティ」は、QNAP NASのコミュニティがpublic
の場合は、特に設定変更は不要であり、{$SNMP_COMMUNITY}
のままとすればよい。{$SNMP_COMMUNITY}
はマクロであり、Zabbixの「管理」→「一般設定」→「マクロ」にてpublic
にて設定されている。もし変更する場合は、ホストの設定で直接修正するか、マクロの設定を修正する。
3. Zabbixにてテンプレートをリンク
QNAP NASはSNMPによる監視を行う。Zabbix 5.0の場合は、以下のテンプレートを使うことで、CPU、メモリ、ディスク、ネットワークの必要なリソース情報の監視を実装できる。
監視項目 | テンプレート |
---|---|
CPU | Template Module HOST-RESOURCES-MIB SNMPv2 |
メモリ | 同上 |
ディスク | 同上 |
ネットワーク | Template Module Interfaces SNMPv2 |
QNAP NASのホスト設定の「テンプレートをリンク」にて、上記2つのテンプレートをリンクする。
ディスカバリによって自動的に必要なアイテム、トリガーの作成が行われるが、手動でディスカバリをしたい場合は、「ディスカバリルール」タブで対象のディスカバリルールを選択し、「監視データ取得」を選択する。
4. SNMP Trap監視を有効化
SNMP Trap監視は、Zabbixに対して各種設定が必要となるため、以下別記事を参照すること。
5. 動作確認
ディスカバリがされると、以下の通り、CPU、メモリ、ディスクの各情報がグラフとして表示できるようになる。
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