法人向けのサーバ製品であれば、IPMI (HPEのiLOやDELLのiDRAC) といった専用のハードウェア制御機能が搭載されているので、遠隔操作にて電源の起動を行うことができる。しかし、コンシューマ向けの通常のPCにはIPMIの機能は備わっておらず、電源を落としたPCを遠隔地から起動させることはできない。
我が家の検証用PCは、外出中であっても検証目的などでアクセスしたい場面があるのだが、先日ゲリラ豪雨発生時の落雷によって、PCが落ちてしまった。
雷でPCが落ちてしまった。外出してたので、電源を入れることができず困ってしまったので、Wake on LANで起動できるようにした。
— tech-mmmm (@tech_mmmm) August 13, 2020
このような場合、遠隔地からPCが起動できず困ってしまうため、Wake on LANによる電源起動をできるよう設定してみた。
やりたいこと
もともと私の自宅検証環境は、外出中であってもVPNを張って外部から接続が可能となっている。検証用のESXiは2台稼働しており、二重障害の発生は想定しないこととして、お互いESXi上で稼働している仮想マシンからマジックパケットを送信し、他方のESXiを起動できるよう構成する。
Wake on LAN有効化
ESXiがインストールされたPCにおいてWake on LANを有効化する場合、ESXi自体には特別な設定は不要となるが、UEFI BIOSにて設定変更が必要となる。マザーボードのメーカーによって設定箇所が微妙に異なるので、マニュアル等を参照して設定箇所は確認いただきたい。
以下は、私が所有するASUSとASRockのマザーボードでの設定箇所となる。
メーカー | 設定箇所 | 設定内容 |
---|---|---|
ASUS | Advanced > APM > Power On By PCIE | Enabledに変更 |
ASRock | Advanced > ACPI Configuration > PCIE Devices Power On | Enabledに変更 |
上記設定をすることで、Wake on LANの起動に必要となる「マジックパケット」をNICにて受信できる状態となる。あとは、ブロードキャストドメインに存在する他の機器から、マジックパケットを送信することでPCが起動される。
マジックパケットを送信する方法を簡単に記載しておこう。
【Windows】Wake on LANのマジックパケットを送信する
Windowsの標準機能ではマジックパケットを送信することができないので、フリーソフトなどを使ってマジックパケットを送信する。
例えば、以下URLからダウンロードできる「Wake on LAN for Windows」を使用すれば、マジックパケットを送信できる。
今回は試していないが、「nWOL」も軽量で使いやすそうだ。
【Linux】Wake on LANのマジックパケットを送信する
net-toolsパッケージに含まれるether-wake
を使うことでマジックパケットを送信することができる。以下は、実行例となる。
# ether-wake 11:22:33:44:55:66
0 件のコメント:
コメントを投稿