2017年9月8日金曜日

DFSレプリケーションを使ってデータを差分同期するファイルサーバを構築する

Windowsのファイルを別のWindowsに同期する機能として、「DFSレプリケーション (以下、DFS-R)」の機能がある。DFS-Rはファイル単位ではなくブロック単位での差分を検出して同期するため、差分転送のデータ量が少ないといったメリットがある。

今回はWindows Server 2012を利用して、DFS-Rによるファイル同期を試してみることにする。

構成

構成は以下の通り。以下2台のサーバーは同一ドメインに属している必要がある。

 ・コピー元:ホスト名 t1202w212 / Windows Server 2012 Standard
 ・コピー先:ホスト名 t1201w212 / Windows Server 2012 Standard

DFS-Rは、コピー元からコピー先への一方行のレプリケーションを構成することとする。

手順

1. 役割の追加

2台のサーバーで以下役割の追加を行う。「DFSレプリケーション」を選択すると自動で表示される役割管理ツールも合わせてインストールしておく。

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 ファイルサービスおよび記憶域サービス
  →ファイルサービスおよびiSCSIサービス
   →DFSレプリケーション
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なお、以下画面では、DFSレプリケーション以外にも、ファイルサーバーの機能を追加しているが、レプリケーションするだけであれば必須ではない。


2. レプリケーショングループの作成

「サーバーマネージャー」→「ツール」から「DFSの管理」を選択する。DFSの管理の左ペインの「レプリケーション」を右クリックし、「新しいレプリケーション グループの作成」を選択する。

新しいレプリケーション グループ ウィザードが立ち上がるので、以下のように設定する。なお、一番最初に選ぶレプリケーション グループは、「汎用」と「データ収集用」とあるが、単純な2台のレプリケーションであれば、「データ収集用」を選べばよいらしい。
※「汎用」でできることは、今回は検証しておらず不明

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 ・レプリケーション グループの種類:データ収集用
 ・レプリケーション グループの名前:任意
 ・ドメイン            :所属しているドメイン
 ・ブランチ サーバー       :コピー元のサーバーホスト名
 ・レプリケート フォルダー    :コピー元のフォルダーのパス
 ・ハブ サーバー         :コピー先のサーバーホスト名
 ・ターゲット フォルダー     :コピー先のフォルダーのパス
 ・スケジュール          :継続的にレプリケートする
 ・帯域幅             :最大
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以上を適切に設定すると、レプリケーション グループの作成に成功する画面が表示される。


3. コピー先を読み取り専用にする

今回は一方行のレプリケーションとしたいのだが、DFS-Rは厳密には一方行の同期という設定は存在しないようだ。その代わりに、コピー先を読み取り専用とすることで、同等の機能を実現することが可能となる。

作成したレプリケーション グループを選択し、「メンバーシップ」タブにて、コピー先のフォルダーを右クリックし、「読み取り専用にする」を選択するだけでよい。



読み取り専用にした後、試しにコピー先のフォルダーに新しいフォルダーを作成しようとすると、以下の通りアクセス拒否されることがわかる。当たり前だが、「続行」ボタンを押してもアクセス拒否がされ、コピー先のフォルダーの変更ができないようになっている。


なお、読み取り専用の動作は、結局NTFSのアクセス権と同様の設定で制御しているようで、もし設定時にアクセスできるユーザーでログインしている場合は、一度ログオフしないと設定が反映されないので注意しよう。

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