2021年6月15日火曜日

Azure AD Connectで同期した環境でシングルサインオンを実現する

Azure AD Connectを使うと、Azure ADとオンプレミスのAD (以降、オンプレADと呼ぶ) の同期を行うことができる。これによって、オンプレADのユーザとパスワード情報を用いて、Microsoft 365関連のサイトやAzure Portalにログインすることができる。

Azure AD Connectをインストールする際に、シングルサインオンの設定を行っている場合、追加でグループポリシーの設定を行うことで、シングルサインオンを有効にすることができる。これによって、ドメインユーザでOSログインすると、ブラウザから各種サイトにアクセスする際に、認証情報の再入力が不要となる

今回は、Azure ADと同期した環境において、シングルサインオンに必要となるグループポリシーの設定手順を記載する。

環境

オンプレADのOSは以下の通り。

  • OS : Windows Server 2016 Standard
  • ドメインの機能レベル : Windows Server 2016

Azure AD Connectのインストール手順は以下記事の手順で実施済みであることを前提とする。

手順

1. シングルサインオン用のGPOを作成

「サーバーマネージャー」→「ツール」→「グループポリシーの管理」を開き、グループポリシーオブジェクト (GPO) を作成する。

今回はAzure Policyという名前で作成し、ログインユーザが格納されているOU (私の環境の場合はMy OU) にリンクさせる。

2. 「サイトとゾーンの割り当て」を設定

作成したGPOに対して、以下グループポリシーの設定を行う。

▼設定項目

[ユーザーの構成]
→[ポリシー]
 →[管理用テンプレート]
  →[Windowsコンポーネント]
   →[Internet Explorer]
    →[インターネットコントロールパネル]
     →[セキュリティページ]
      →[サイトとゾーンの割り当て一覧]

▼設定内容

  • 「未構成」→「有効」に変更
  • ここにゾーンの割り当てを入力してください。
    • 値の名前 : https://autologon.microsoftazuread-sso.com
    • 値 : 1

3. 「スクリプトを介したステータスバーの更新を許可」を設定

作成したGPOに対して、以下グループポリシーの設定を行う。

▼設定項目

[ユーザーの構成]
→[ポリシー]
 →[管理用テンプレート]
  →[Windowsコンポーネント]
   →[Internet Explorer]
    →[インターネットコントロールパネル]
     →[セキュリティページ]
      →[イントラネットゾーン]
       →[スクリプトを介したステータスバーの更新を許可する]

▼設定内容

  • 「未構成」→「有効」に変更

4. レジストリの設定

作成したGPOに対して、以下グループポリシーの設定を行う。

▼設定項目

[ユーザーの構成]
→[基本設定]
 →[Windowsの設定]
  →[レジストリ]を右クリック→[レジストリ項目]

▼設定内容

  • アクション : 更新
  • ハイブ : HKEY_CURRENT_USER
  • キーのパス : Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Internet Settings\ZoneMap\Domains\microsoftazuread-sso.com\autologon
  • 値の名前 : https
  • 値の種類 : REG_DWORD
  • 値のデータ : 00000001

5. グループポリシーを反映

グループポリシー反映までは時間を要するので、以下の通りコマンドでグループポリシーの反映を行う。

PS C:\> gpupdate.exe
ポリシーを最新の情報に更新しています...

コンピューター ポリシーの更新が正常に完了しました。
ユーザー ポリシーの更新が正常に完了しました。

6. シングルサインオンを確認

Microsoft EdgeやGoogle Chromeを使って、以下サイトにアクセスをし、シングルサインオンができることを確認する。

ブラウザはChromeとEdgeにて試したところ、どちらもドメインにログインしたユーザ名があらかじめ入力された状態となっており、ユーザアカウントを選択するだけで、パスワード入力することなくシングルサインオンをすることができた

▼マイアプリポータルへシングルサインした画面

▼Azure Portalへシングルサインした画面

【参考】「アカウントの保護にご協力ください」を消す

Azure ADのアカウントにてログインをする場合、デフォルトのセキュリティ設定の場合は、ログインのたびに「アカウントの保護にご協力ください」というメッセージが表示される。これは、ログイン時に多要素認証を設定することでアカウント認証のセキュリティを強化する設定となるため、むやみに無効化すべきではないが、無効化すること自体は可能であるのでその手順を以下に記載する。

Azure ADで作成したテナントの設定画面の「プロパティ」→「セキュリティ規定値群の管理」のリンク→「セキュリティ規定値群の管理の有効化」を「いいえ」に設定する。無効にするための理由について適切なものにチェックを入れたのち、「保存」することで無効化できる。

参考

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